木材防腐剤及び白アリ防除薬剤専門メーカーの吉田製油所は、薬剤メーカーとしての強みを生かすため、木材保護塗料とは一線を画した展開を見据えている。

その1つが、無色透明で性能を付与するクリヤー製品の拡充。

木材を外部に現しで使う際に生地仕上げや無塗装木材が多用されている現状に応えるもので、「塗料と異なり樹脂分が少なく、薬剤が深く木材に浸透する」(吉田善彦社長)と薬剤のメリットをアピール。更に着色塗装前、着色塗装後のいずれの使用も可能としており、塗装の価値を高めるアイテムになり得るとして期待感を高めている。

現在、クリヤー製品として品揃えする木材防腐剤は、「クレオトップ(クリア)」「水性クレオトップクリア」「九三七一(くさんない)」「竹ガード(竹材用)」の4製品。更に防カビ剤として「カビZeroクリア」、白アリ予防駆除剤として「白アリ薬剤クリア」を上市する。

また同社は、近い内にも防藻機能を強化した新製品を投入する計画。新規薬剤の採用により従来以上の防藻効果を保持するのが特長で、サイディング用シーラーなど木部以外の用途拡大も視野に入れている。

「木造建築物である以上、防腐処理及び白アリ対策が不可欠であるにも関わらず、その必要性が認知されていない」と吉田社長。

家主がセルフで行える製品開発にも注力するなど、需要の裾野を広げようとしている。