ナトコはベンジルアルコールフリーの水系塗膜剥離剤「スケルトンAQS」を開発し、18日から販売を開始する。建築用途をメインとしながら橋梁塗装向けにも展開していく。特許出願済み。

近年、建物外壁におけるアスベスト含有塗膜の剥離作業で剥離剤需要が高まっている中、塗膜剥離剤のラインアップを拡充させて現場ニーズの製品対応力を高めていく。

同社は塗膜剥離剤として「スケルトン」を開発、近年は非塩素系「スケルトンNC」の販売を進めていた。更に環境配慮ニーズに対応して昨年4月に水系タイプ「スケルトンAQ」を新たに上市。アスベストを含有した建材用塗膜の剥離の際の作業者の負担軽減として、採用実績を重ねている。

そんな中、今年1月1日にベンジルアルコールが容器のラベル表示・SDS交付・リスクアセスメントの対象に追加された。ベンジルアルコールは一般的に多くの水系剥離剤に使用されている。

ベンジルアルコールが含まれる剥離剤が使用できなくなったわけではなく、厚生労働省も「ベンジルアルコールはどのように扱えば安全であるか明らかになっている物質ですので、適切に管理して使用するようにしましょう」と通達している。

ただ、施主やユーザーによってはベンジルアルコールを含まない剥離剤を求める声が増えている。ベンジルアルコールフリーとしては「スケルトンNC」が合致するものの、水系タイプでベンジルアルコールフリーのニーズが根強くあった。そこで、新たに水系のベンジルアルコールフリーとなる「スケルトンAQS」を開発した。

同品は従来品と同様に高い作業性を持つ。優れたレオロジーコントロールにより、振ると粘度が低くなるため缶から出しやすく扱いやすい。一方、放置すると粘度が高くなるため、厚塗りでも垂れず剥離成分がしっかり浸透し剥離効果が高いという特性がある。

剥離剤の各製品はそれぞれに特性があり、同社では塗膜の状況や顧客に要望に合わせてそれぞれの剥離剤を提案していく方針。

アスベスト含有塗膜をはじめとして建物の塗膜剥離需要は多くある中で、同社は「塗膜の種類によって剥離剤との相性もあるので、事前の試験施工を行うなどして最適な製品を提供していきたい」との意向を示す。