塗装会社大手で老舗の中村塗装店(本社・東京都品川区、社長・中村弘二氏)は2月28日、東京・千代田区の九段会館テラスで創業155周年記念式典並びに祝賀会を開催した。2020年に予定していた150周年式典がコロナ禍で中止となり、5年持ち越しての開催となった。工事で現場を離れられない社員を除く、約200名の社員が出席。155年の歴史を振り返りながら結束を固め、次の時代へ向かって気勢を上げた。

同社は、漆塗り職人だった初代中村八十吉氏が、ペリー来航とともに入ってきた西洋ペンキの技術を修得、明治3年(1870年)に創業した。日本最初の新橋-横浜間の汽車塗装を行い、三菱一号館や二号館、日本銀行本店、三井本館、帝国劇場、明治神宮など日本の主要な建物の塗装工事を手掛け、塗装会社の先駆けとなった。

その後、プラント塗装や工業塗装、昭和57年にはマンション大規模修繕に進出。現在は建物の塗装を行う建築事業本部、鋼構造物やエネルギー、プラント設備塗装のエネルギープラント事業本部、マンション改修事業本部、各種工業塗装を担う工場生産本部の4事業本部と管理本部の事業部体制を構築、業容が広がっている。

記念式典の最初に登壇した中村弘二社長(写真)はこれまでの歴史を振り返りながら「長い間の中には決して良い時ばかりでなく、経済不況や貸し倒れによる資金繰りの悪化など苦しい時もありました。ただ、どのような時でもお客様を大切にしてきたこと、仕事をやり続けてきたこと、それが今日の当社をつくり、155周年を迎えることができました。この伝統を受け継ぎ、これからも信用、信頼を育み、お客様に選んでいただける会社であり続けましょう」と居並んだ社員に呼び掛けた。

また、「この155周年を機に、長年の懸案事項であった社名変更を行うことになりました。新しい社名は『株式会社NAKAMURA』とローマ字表記になり、9月1日から実施します。社名変更を機に4事業本部と管理部が一丸となり、160周年に向けて進んでいきたい」と更なる進化を誓った。

長年「塗装」の専門工事会社として歩んできたが、近年は「塗装工事」の枠を超えた各種工事に拡大、その業態を鑑み社名変更を行うことになった。

記念式典終了後には祝賀会に移行。この日のために制作を進めてきたムービーの放映やユニフォームデザインのリニューアルなども発表。全社員との一体感を醸成し、次代へ向けて気勢を上げた。