三菱化工機の子会社である化工機商事は耐火塗料「ナリファイア・ハイブリッドベースコート」の販売を強化する。従来用途であるプラントなどの建築用の構造鉄骨に加え、化学工場向けで同品の引き合いが増えていることから用途展開を積極化する。

現在、東京オリンピック関連施設やホテル、商業ビルなどで鉄骨を見せる現しのデザインの採用が増えており、意匠性が求められる建築物が増加傾向にある。

大型の建築物には、人命や建物を保護する目的で鉄骨の柱や梁に耐火被覆材を施さなければならない。その中で耐火塗料は通常の耐火被覆材の10分の1以下と薄膜で複雑な構造物にも対応、美観の観点からも関心が高まっており、同品の引き合いも増加している。

耐火塗料は、薄膜の層を塗り重ねなければならないため工期がかかりコストがかさむことや、乾燥が遅いため急な雨に弱いなどの短所があった。それに対し「ナリファイア・ハイブリッドベースコート」は1回塗りで最大4mmの厚膜化を実現した。指触乾燥は1時間と速乾性があることから、工期短縮を図れる。

また乾燥時間が短いため工事中の急な雨でも溶解しにくく、ウレタン系の微弾性塗膜で構造物の変形や振動にも強いのが特長。2時間の耐火認定を取得しており1時間で945℃、2時間で1050℃の温度でも鉄骨構造物が耐えられる。

同社では「他の耐火塗料の短所を補った製品として優位性をPRしていきたい」とゼネコンや設計会社に向け提案を積極化していく方針。