山本窯業化工(本社・大阪府吹田市)の石材調仕上塗材「MADESTONE(マデストン)匠の石」の販売が伸びている。昨秋、責任施工からオープン販売へ移行し多くの施工業者が扱いやすくなるとともに、石材調仕上物件の改修需要やマンションにおける湿式仕上への回帰の流れにマッチした。建物外観の高意匠ニーズに照準を合わせ、付加価値の高い展開を進める。

1988年に石材調仕上塗材の「セラグラニー」を発売して以来、このカテゴリーのリーディングカンパニーとして展開。有色陶磁器質骨材や着色骨材のブレンド技術を強みに、仕上塗材の意匠性や表現力で差別化を図ってきた。

一世を風靡した石材調仕上塗材の建物の多くが数年前から改修期を迎え、塗り替え需要が発生。また、磁器タイルが席捲したマンションの外壁でも、剥落のリスクや打診検査の義務化によるコスト要因で湿式仕上に回帰する動きが出始めている。こうした動向を受け同社は昨秋、それまで責任施工で展開していた石材調仕上塗材の主力品「マデストン」をオープン販売に移行、幅広い需要を捉える施策に転換した。

マデストンは豪華で重厚感のある「御影石調」と、柔らかい落ち着きと優しさのある「ライムストーン調」の2つのテクスチャーで展開、それぞれ豊富な色調を揃える。粒度の大きい有色陶磁器質骨材のハンドリング技術や、多彩な粒度の着色骨材やマイカのブレンド技術により、目を引く華やかな意匠を表現、建物の価値を高める。

また、従来2色吹きや3色吹きでしか表せなかった高度な意匠を1つの材料で実現したこともマデストンの特長。複雑な施工を要しないことで施工面での汎用性を高めた。微弾性で下地の動きに追随、シリコンタイプとフッ素タイプを揃える。高耐候性、防カビ・防藻、押さえ工法による低汚染性など仕上塗材としての総合力も高めた。

「建物外観へのニーズの多様化、高度化で石材調仕上塗材が復権する動きも出てきており、そうした需要を捉えるとともに湿式仕上げの高付加価値化に寄与していきたい」(担当者)と展開を加速させる。