久保孝ペイントは2年前に高日射反射率粉体塗料「SUNシェード」を開発し、小口対応を可能にする自社のカラーカードに収録した。配電盤メーカーが採用の検討を始めるなど、需要拡大に期待感が高まっている。

同社は、屋根用高日射反射率塗料で策定したJIS規格に基づき、艶ありタイプと半艶タイプのポリエステル樹脂系粉体遮熱塗料を開発。屋外に設置される金属ボックス内部の温度低減効果が得られるとして、開発に踏み切った。

「客先で行ったフィールドテストでは5℃から8℃程度の温度低減効果が認められ、温度上昇抑制のために設置したファンの数が減らせたり、制御装置などの寿命が延ばせるとの声が得られている」(担当者)と手応えを示す。

現在、塗色は配電盤に多用されているベージュ色のみの1色だが、今後は色相の拡充により用途拡大を積極化していく方針。通信機器、自販機、鋼製家具などへの展開を見据えている。

中でも具体化の進展を見せているのが遊具での採用。「ジャングルジムやすべり台などの遊具で粉体化が進んでいる」ことに対応したもの。夏場の炎天下では高温になるため、パステル調などの塗色開発も含め、遮熱化による効果を検証するとしている。

艶ありタイプ「SUNシェード5Y7/1」の焼付時間は180℃×15分。5分艶タイプ「SUNシェード半艶5Y7/1」は180℃×20分。