イサム塗料は遮熱、断熱、放熱と熱制御に着眼した製品開発に注力することで、建築用、工業用を問わない新たな需要開発に挑戦している。

現在、遮熱塗料として展開するのは、窓用日射遮蔽コーティング材「エコートプラス」、高日射反射率カラー舗装材「アースクールF」の2製品。

「エコートプラス」は、夏場の温度上昇抑制と冬場の暖房熱の流出を抑える機能を特長とする。市場全体の伸びを欠く中、一定の販売量を確保しており、「最近では海外からの引き合いも増えている」とニッチ技術として内外の注目を集めている。1液タイプでローラー工法に対応するなど、施工性も兼ね備えている。

「アースクールF」は、アスファルト面の温度上昇を抑制し、ヒートアイランド防止に寄与するのが特長。未塗装アスファルトと比べて最大17度の遮熱効果が確認されるなど、環境対応を積極化する工場や店舗駐車場からの引き合いを増やしている。

また遮熱塗料のニューバージョンとなるのが「ハイアートCBエコ」の遮熱ホワイト。

元々大型車両向けの環境型2液ウレタン塗料として知られている製品で、遮熱ホワイトは近赤外線日射反射率85%以上を保持し、塗布物表面温度の上昇を抑える機能を持つ。今後、外観品質と遮熱機能を兼ね備えた製品として大型車両や鉄道車両、建設機械、産業機械などの採用に期待する。

一方、断熱塗料として開発したのが金属用断熱塗料「AC-131」。中空バルーンを配合した同品を塗布することで熱の伝わり方をマイルドにし、触れた時の熱さ、冷たさを緩和する特長を持つ。既に遊具や老人ホームの手すりなどで検討されており、用途拡大に期待感を高めている。  

その他、モーターなど内部の熱を外部に排出する機能を持つ放熱塗料を開発するなど、自補修で培った金属から樹脂素材に対する技術ノウハウを熱対策に落とし込むことで需要分野の拡充を目指している。