今年1月にリニューアルし、速乾・低臭タイプの「キシラデコールフォレステージ」を投入した大阪ガスケミカル。懸念された既存製品への影響について「自社品同士の取り合いはなく、都市部での採用を伸ばしている」(担当者)と需要創出に寄与。「ひのき」と「べんがら」の新色2色も加え、新たなニーズの取り込みに成功した。

積極的な製品拡充を進める同社がターゲットにするのは、メンテナンス市場の掘り起こし。「まだまだメンテナンスされずに放置されている建築物がたくさんある」(担当者)と木材の腐朽・劣化対策に資する木材保護塗装の重要性を指摘。重要文化財から一般住宅まで網羅する40年以上の実績を強みにしていく考えだ。

水性造膜タイプの「キシラデコールコンゾラン」は、劣化した木部に対し、鮮やかな塗色を再現し、耐候性を確保。伸縮性ある塗膜が木材の割れに追従する。「キシラデコールやすらぎ」はデザインニーズの高い生地仕上げに適応した製品。白木のナチュラルで柔らかな雰囲気を演出する。

同社が今後注力するのが、家庭用からプロ向けまでをカバーしたラインアップの拡充とサービス機能の強化。年間1万件近くに及ぶ問い合わせがリアルな市場情報をキャッチし、製品開発と情報発信に磨きをかけている。

最近では販売店、施工店向けの研修会も充実させ、より一歩深めたメンテナンスサービスを展開していく方針。木造建築物メンテナンスに関するコンサルタント機能が高まっている。