塗料添加剤メーカーのビックケミー・ジャパンは、沈降防止剤として展開する層状無機添加剤「GARAMITE(ガラマイト)」を施工性改善に寄与する現場用処方剤として提案している。

着目したのは、塗り床施工における立面及びスロープ部。「平面と同様に厚付けすると下方部に垂れ、塗膜の均一性が失われる」と担当者。既にこうした課題に対する工業用無機原料が存在しているが、「施工現場での一般的な電動撹拌機での攪拌が可能で混ざりやすいのが特長。レベリング性を保ちつつ、適度に粘度を上げることができ、光沢にも影響を与えづらい」と仕上がり品質の高さを差別化に据える。

「GARAMITE」は、鉱物及び有機変性ベントナイトの混合系を主成分とする粉体タイプの添加剤。溶剤系、無溶剤系塗料への粘性発現効果が高く、沈降防止、タレ防止、作業性改善に寄与する。添加量は「入れすぎると粘性は高くなるが施工性が悪くなる」と約1%未満を推奨する。適応塗料は、溶剤系、無溶剤系塗料。クリヤー塗料は不可。

ラインアップとして極性の違いに応じた「GARAMITE-1958」(低~高極性)、「同-2578」(薄膜対応)、「同-7303」(低極性向け)、「同-7303」(高極性向け)の4製品を揃える。いずれも分散性が高く、後添加による使用を可能としている。水系向けにはベントナイトと他成分の混合である「OPTIBENT」をラインアップする。

一方、コンクリート下地の品質向上やプライマーレスによる省工程化などでニーズを高めているのが、密着付与剤。金属系素地やガラスを含めた下地への密着性を向上させる製品で、分散剤のノウハウを生かした顔料吸着タイプの他、官能基でアンカー効果を発揮するタイプを揃える。

「BYK-4500」は、高分子量ブロック共重合物が主成分とする水系塗料用。旧塗膜、リコート塗膜双方の顔料に吸着し、密着性向上に寄与する。

「同-4509」は水系・溶剤向け双方に適応し、「同-4510」及び「同4512」は溶剤向け。「同-4513」は水系2液エポキシ系樹脂に適しており、シランフリーで貯蔵安定性にも優れた効果を発揮する。