工業用塗料販売店の川口化成品(本社・名古屋市、代表取締役社長・川口洋平氏)はIPD微粒化粉体塗装制御システムのモニター募集を行っている。

同システムは粉体塗料の粗大粒子を解砕(塊をほぐす)し、定量供給した上で微粒化粉体塗装を可能とする。粗大粒子をインジェクター部にある微粒化デバイスで解砕し、通過する粉体流量をセンサーで読み取り、コントローラーで吐出量を増減することで定量供給を可能にしている。

川口社長は「粉体塗料は輸送や保管中に粉同士が凝集し100μm以上の集合粗大粒子を形成する。その粗大粒子がブツとなったり、ガンに搬送するときに脈動を起こして"息継ぎ"状態となり膜厚コントロールを難しくしている。この装置は製造時の理想的な粒度分布を再現でき、いろいろなメリットが出る」と説明する。

IPDシステムは開発以降、ユーザーでの実績はあったものの、さまざまな状況下でのデータはなかったという。そこで、同社では2年ほど前からデモ機数十台でテストランを実施。これまで塗装専業者やメーカー系内製ラインなど十数カ所の粉体塗装設備でトライを行い、データ取りを進めてきた。

その結果、各現場からは、ブツの低減、塗料の入り込み及び付きまわり性の向上による塗料使用量の削減、薄膜や均一塗膜の実現、塗装肌の平滑性、膜厚が均一化したことで模様塗装の仕上がり安定性といった効果が得られている。

ある塗装専業者のラインではIPDシステム導入後に以前と比べて塗料使用量(10か月間)が23%削減できた。

そこで「この未来ある塗装機器を広く知っていただく機会を設けたい」(川口社長)との思いから、粉体塗装設備を持つモニターを募集している。塗装工場だけでなく、粉体塗装工場を顧客に持つ販売店からも募集を受け付ける。「当社がすべて直接ユーザーに対応するつもりはなく、地域の販売店さんと連携して展開していきたい」との意向。

受付期間は8月上旬~9月中旬までで、募集数量としてはハンドガン15台を揃えている。

受付はFAX052-331-6189(川口化成品)及びFAX022-397-2531(環境エネルギー技術研究所)

主なモニター状況