ロックペイントは自動車補修向け次世代クラウドコンピューティング調色システム「Dr. ROCK Ⅳ」のテストリリースを開始した。汎用展開する調色システムの投入は初。6月に開催されるオートサービスショーに出展し、本格販売を開始する。

同システムの最大の特長は、ユーザーすべてのカラーデータをクラウド管理することで、自社工場のみならず他社工場が測色したデータを共有できる点。1社で複数工場を持つ工場に対しては、既に同様のクラウド型システムが投入されているが、蓄積されたデータをユーザーにオープンにすることで差別化を図った。

これによりユーザーは車種、年式、塗色などカラーデータに紐づけられた情報からすぐに配合データを得ることが可能。またデータ蓄積と更新を繰り返すことで精度が高まるなど、使うほどに進化する仕組みとなっている。

具体的には、①同社が提供するオフィシャル配合データ②個人または同一企業内で共有する配合データ③海外ユーザーを含む同システムユーザーの共有配合データの3つのカテゴリーで構成され、測色計で計測した実車色に近い色をコンピューターがロジック解析で選び出すことができる。

1回目の調色から塗装可能な色に早く到達することができるため、従来5~6回の調色回数が1~2回に減らせるのが最大のメリット。板金塗装工場における調色工程の技能継承は、重要な経営課題になっており、同システムがビギナーの即戦力支援、調色工程の省力化に寄与するとし、普及拡大に期待する。

システム構成は、多用途デジタル計量器、多角度分光測色計、推奨PC、ケーブルキット、使用許諾書をスタンダードセットとし、オプションとしてラベルプリンター、QRコードリーダー、カラーカード、内板色見本帳などを揃える。スタンダードセットで価格は150万円程度。リース契約にも対応する。

この他、スマホで操作できる配合データ検索アプリやQRコードの読み取りでデータ修正のメンテナンスを不要にした実車カラーシステム「ZEROセット」を展開しており、ITツールを活用したサービス展開に注力する。