塗料販売店で粉体塗料製造も行う三王(本社・東京都、高橋大社長)は多摩美術大学で粉体塗装のワークショップを行った。

これまで同社ではオープンキャンパスでのワークショップや学生の作品作りなどで粉体塗装によるサポートを行っており、多摩美術大学との関係を築いていた。

その中で「今回、将来的にものづくりやデザインの一役を担う学生に対し、ワークショップを通じて就学中に粉体塗装の特徴と意匠性を知ってもらい、作品づくりや将来に生かしてもらいたい」との思いで催しを行った。新型コロナウイルスの影響で当初の予定から延期したものの、大学側の要請に応える形で感染対策を講じて実現した。

ワークショップは学内募集で自由参加だったが多くの学生が興味を示し、結果的に9~10月の3日間6回の開催で1回4、5人、延べ人数で23名が参加した。より身近に粉体塗装を感じてもらうために、あえてDIY的な機材で実施した。

粉体塗装の仕組みや採用事例などを解説した後に、同社の"お手軽"粉体塗装ガン「コナールショット」とペットボトル入り粉体塗料「チョコナ」を使用した。

作業は学校側で用意した雑貨などの塗装品選びからはじまり、塗色の選定、足付け、脱脂を経て、吊り下げ方法を工夫しながら順次塗装を行った。

「色選びではさすがにこだわりの深い美大生たちはとても真剣に悩んでいました。また、静電気で粉体塗料がまとわりついていく感覚を楽しみながら塗装を行い、焼き上がり時には高品質な塗装と完成度の高さに歓声が上がりました」と盛況となった。

初めての粉体塗装を体験した学生のアンケートでは、「思ったより手軽だった」「クオリティがすごく高かった」「地球に優しいことが分かった」「静電気で着くのが面白かった」「塗装するなら粉体塗装を使いたい」「身の回りに粉体塗装製品が多いことを知った」「加飾技法の選択肢の1つとして今後の作品作りに生かしていきたい」といった前向きな感想が多く見られた。 

同社は「このような活動を通して、学生たちが塗装という分野に興味を持つことで、将来的な粉体塗装の発展に少しでも貢献できればと思います」として、今後も粉体塗装の普及に向けたサポート活動を継続していく。