日本ペイントホールディングスは2021 年1月1日付で、同社100%子会社の日本ペイント・オートモーティブコーティングスをグループすべての自動車・二輪用塗料事業の統括会社とし、略称をNPAC(エヌパック)とすると発表した。登記上の社名や資本関係の変更はない。

今回の組織再編は、8 月21 日に発表したアジア合弁事業100%化・インドネシア事業買収に伴う一体運営の効果を早期に実現するためのもので、自動車用塗料事業のグローバルな運営強化が目的。これにより従業員数5,800 人、売上高約1,500億円を超え(2019年度実績)、世界第3位の自動車用塗料メーカーとなる。

現在、同社グループの自動車用塗料事業は、日ペ・オートモーティブコーティングスやアジア地域を担当するNIPSEA グループの子会社など日本、アジア、米州、欧州における地域軸での事業体制を採用。特にアジア各国では、日ペ・オートモーティブコーティングスとNIPSEA がそれぞれの子会社で顧客との窓口を設けている。

今回、地域で混在していた顧客の窓口を一本化し、スリムで効率的な体制を構築し、営業・R&D 体制をグローバルに構築。顧客への迅速な情報・サービスの提供をワンストップで行っていく。また、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)などの自動車ビジネスモデル変革への対応力も強化する。

新体制では、会長兼CEO(最高経営責任者)は日本ペイントHDの田中正明取締役会長が兼任。社長兼COO(最高執行責任者)には、現日本ペイント・オートモーティブコーティングス代表取締役社長の牟禮章一氏が就任する。

田中氏は「自動車用塗料事業再編は、先日発表したアジア合弁事業100%化・インドネシア事業買収に伴うシナジー創出の第一歩。分散されていた経営資源を糾合し、強固なグローバル体制を構築する。また、国内の自動車用塗料工場の生産能力増強や効率化に向け積極投資を行い、顧客の商品供給・販売を全面的に支援していく」とコメントしている。