日本塗料工業会は、2019年暦年の国内塗料メーカーの海外生産量を発表した。海外生産量は、前年比120.2%の534万4,823トンで、リーマンショックの影響で前年割れした2008年以降、11年連続の伸長となった。

国内の塗料生産量164万5,960トン(2019年)と合わせて、塗料メーカーの総生産量は、699万783トン。海外生産比率は、76,5%となり前年と比べて3.6ポイント増加した。日本ペイントホールディングスが2019年7月にトルコ・Betek Boya、同年8月に豪・Dulux Groupを買収したことによる押し上げ効果が加わったものと見られる。

地域別では、米国11万9,852トン(16.1%増)、欧州20万7,967トン(4.7%減)、アジア492万8,899トン(23.3%増)、その他8万8,105トン(30.5%減)となった。

海外生産に占めるアジア比率は、前年比2.3ポイント増の92.2%と伸長。アジア国別の内訳は、中国348万3,902トン(29.0%増)、インド65万3,725トン(1.1%減)、東南アジア47万4,712トン(1.1%増)、その他アジア31万6,559トン(88.4%増)。経済低迷により失速したインドを後目に中国への集中の流れは変わらず。中国の海外生産比率は、4.4ポイント増の65.2%と群を抜いている。

しかし、海外生産のウエイトを占める自動車の生産台数の世界的な低迷、新型コロナウイルスの感染拡大も加わり、2020年は減少が見込まれる。また米中貿易摩擦などに端を発した国際情勢も引き続き緊迫が続いており、地政リスク、為替リスクを孕みながらの事業展開が求められている。

進出状況は、前年と変わらず35社(日塗工会員)が32カ国(2カ国増)に展開。現地企業数は、8社増の207社となった。