トラック関連業界最大の展示会「ジャパントラックショー2024」が5月9~11日、パシフィコ横浜で開催された。今展には156社564小間が出展し、3日間で6万2,448人が来場した。物流問題に注目が集まるトラック業界だが、こと展示車両に目を向ければ色鮮やかな車両が目立つ。また架装車もキッチンカー、キャンピングカーなど目的ごとに特殊性を高めており、意匠、機能の側面から塗料の潜在ニーズを感じさせる展示会となった。塗料関係からはイサム塗料、ロックペイントが出展した。
イサム塗料は、大型車両向けに展開する木部保護塗料「ウッドプロテクト」、溶剤2液ウレタン樹脂塗料「ハイアートCBエコ」を出展。その他、ボディに凹凸模様を付与する特殊ウレタン樹脂塗料「ベッドライナービースト」や水性2液ウレタン塗料「POSEIDON5000」を紹介した。
中でも来場者の関心を集めたのは「ウッドプロテクト」。積載物との摩擦や荷重を強いられる木製荷台に対し、強靭な塗膜で耐久性を付与するのが特長。「ローラーで施工できる簡易性と張替えコストを低減できるメリットが受けている」(担当者)と展示車両を食い入るように見る来場者の姿が目立った。
「POSEIDON5000」は4月30日に発売したばかりの新型水性2液ウレタン塗料。耐候性、平滑性など2液溶剤系ウレタン塗料に匹敵する性能を保持しつつ、有機則・特化則対応、PRTR法対応など環境対応を両立した。
ウェット・オン・ウェットによる1コート仕上げが可能で、「局所排気装置を持たないユーザーには重宝すると考えている」と塗膜機能と環境対応を求める需要家に訴求していく方針だ。
トラックショー初出展のロックペイントは、特化則、PRTR法に対応した環境配慮型アクリルポリウレタン樹脂塗料「HIROCK ECOシャネツ」「HIROCK ECO DUAL」を中心に各種製品をアピールした。
「HIROCK ECO シャネツ」は、遮熱機能を付与する4:1アクリルポリウレタン樹脂塗料で赤外線を反射し、内部温度の上昇を抑制する特長を持つ。
中でも引き合いが増えているのが生コン車での利用。建設現場に納入する生コンの温度上昇を抑制できるとしてNETIS登録された遮熱塗装車両の需要が顕在化しており、同社も昨年2月にNETIS登録を取得、市場展開を本格化している。
担当者は「生コン車に限らず、保冷車や屋外設置の機械ボックスなど遮熱機能を要する領域は多い。最近ではキャンピングカーのオプショングレードとして遮熱塗装が採用されるケースも増えてきた」と今後の展開に手応えを示した。
「HIROCK ECO DUAL」は、下塗り機能を付与した6:1アクリルポリウレタン樹脂塗料で、各種金属に対して直接塗布できるのが特長。自然発火のリスクがなく、防錆力と耐候性、耐チッピング性を有した"1コートウレタン"としてアピールした。
この他、4月に上市したマット(艶消し)塗装専用トップコートクリヤー「ECO ROCK Full Matt Clear」も出展。「乗用車と同様にトラックのマット人気も高い」と需要獲得に手応えを示した。