日本塗料工業会は、2023年暦年の日本の塗料メーカーの海外生産統計をまとめた。その結果、海外生産量は前年比17.4%増の851万8,684トンと2年ぶりに増加となり、初めて800万トン台を突破した。日塗工は「2023年の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東における情勢不安、エネルギー価格高騰なども影を落とし減速見込みであったが、底堅い成長を見せた」との見解を示した。 

これにより2023年暦年の国内生産量147万215トンを加えた国内外総生産量は998万8,899トン(14.3%増)。海外生産比率は前年比2.2ポイント増の85.3%となり、コロナ禍からの早期回復及びM&A策が海外シフトを一層顕著にしている。

また地域別生産量は、米国8万4,718トン(10.5%減)、欧州48万3,377トン(2.1%増)、アジア768万2,801トン(19.6%増)、アフリカ・オセアニア・中南米他26万7,788トン(1.8%増)となり、海外生産量に占めるアジア比率は1.7ポイント増の90.2%。アジアの伸長が際立つ結果となった。

アジアの内訳は、中国502万4,883トン(18.7%増)、インド75万55トン(6.9%増)、その他のアジア190万7,863トン(27.9%増)となり、中国を筆頭にアジアシフトが一段と高まっている。

今調査は、正会員86社の内、79社(4社減)が回答。回答企業の内、「海外進出あり」は32社。進出国数は前年調査と変わらず54カ国、現地企業数は6社増の371社となった。