日本ペイントホールディングスの会長兼社長の田中正明氏が顧問に退き、ゴー・ハップジン氏が会長に復帰。ゴー会長のもと若月雄一郎氏とウィー・シューキム氏の共同社長という経営体制で新たなスタートを切った。  

田中氏は2019年3月に代表取締役会長に就任、翌年1月には代表取締役会長兼社長CEOとして、また3月に指名委員会等設置会社に転換してからは取締役会長代表執行役社長兼CEOとして経営のかじ取りを担ってきた。  

退任理由について、田中氏は「アジア事業の100%化やインドネシア事業の買収の環境を含め10年にわたる道筋の第1ステージは完了した」ことや中期経営計画を策定したことに加えて、経営環境の激変が想定する中での経営上の体力や68歳という年齢を挙げ、「より力強いリーダーシップや劇的な環境変化に対応するエネルギーや構想力、そしてグローバルな塗料産業界における人脈やプレゼンスが一層求められる」と考え、「必要な経営上の体力に溢れる人材を後継者として選んでいただく機会を設けることが、今私のできる最善の経営判断」として退任を申し出た。  

共同社長の役割分担としては、同社グループのオペレーションはすべてウィー氏が行う。具体的には国内外のパートナーカンパニーのオペレーション、並びにそのオペレーションに直接関係する研究開発、製造、サプライチェーン、販売、マーケティング。

一方、若月氏はM&Aの推進、財務政策や資金調達を含むバックオフィスを担当。具体的には財務経理、経営企画、IR、広報、法務、総務、人事、監査と経営管理に関わる部門を統括する。  

事業方針については中期経営計画に沿って、M&A戦略やグローバル事業を推し進めていく。トルコや中国といった成長著しい市場ではシェア拡大を目指し、オーストラリアなど成熟市場では、強力な経営陣と連携し市場の成長を上回る事業の成長を目指す。

若月雄一郎社長:1966年8月28日生まれ(54歳)。1989年4月日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、2000年3月メリルリンチ日本証券(現BofA証券)入社、2008年9月同社投資銀行部門M&A統括責任者、2016年1月同社取締役、2019年11月日本ペイントホールディングス専務執行役員、2020年3月専務執行役CFO。  

ウィー・シューキム社長:1960年8月19日生まれ(60歳)。1991年7月Singapore Aerospace International Los Angeles, USA Regional Director, USA、2009年8月NIPSEA Management Company CEO、2020年1月日本ペイントホールディングス副社長執行役員