関西コーティングジャパン、塗料メーカー各社の出展内容

第4回関西コーティングジャパン〈塗料・塗装設備展〉(主催:リードエグジビションジャパン)が6月23日から3日間、インテックス大阪で開催された。「高機能素材Week」として併催する金属、セラミックス、フィルム、プラスチック、接着接合展などと併せて200社以上が出展。期間中は昨年比1.6倍の1万6,286人が来場した。


関西ペイントは抗ウイルスブランド「ANTI VIRUS TECHNOROGY」製品を出展。接触感染対策シートをはじめ、マスクケースやアクリル板など抗ウイルス製品を紹介した。アレスシックイを塗布した災害時に使用できる簡易ベッドなども紹介。「他社のアイデアと当製品を掛け合わせ、技術を生かせる幅を広げたい」(担当者)と用途の広がりに期待する。

大日本塗料は環境に配慮した製品群を出展した。低温焼付形ポリウレタン樹脂系塗料「Vクロマ#100ECO-LB」は130℃での焼付が可能で、2液形ウレタンと同等の性能を確保した。「ウレタンの焼付温度は従来160℃での焼付が一般的だったが、新製品は130℃にしたことで省力化に貢献できる」(担当者)とメリットを訴求した。同じく環境対応として工業系水性塗料「AQウレタン」を紹介。従来の水性塗料から底艶を向上させ、正面に限らず側面からでも高い鮮映性を実現。豊富な塗色バリエーションで多様な色相要望に対する再現性を高めた。特に赤や紫原色など一般の建築用水性塗料では再現が難しかった鮮やかな塗色を再現することが可能。「工業用分野の環境対応を支援していきたい」(担当者)と話した。また、皮脂軟化防止クリヤー塗料「アクアマリンタックレス」の新製品「同凛」も紹介。クリヤー塗膜にしたことで意匠性に配慮した部分などにも塗装が可能になった。

日本塗料工業会ブースではアトミクス、久保孝ペイント、斎藤塗料、神東塗料、水谷ペイントが出展。ブースでは、各社機能性塗料や省工程に寄与する塗料などさまざまな製品を紹介した。

塗装設備では大気社が自動ティーチングシステム「i-ART」を出展。3Dスキャナーでの形状計測により、複雑な形状でも自動でティーチングを作成できるのが特長。そのティーチング情報を基に塗装作業や研磨作業を自動化できる。時間のかかる手動ティーチング作業の負担を大幅に減らせるとし、ブースでは実機を動かしながら同品の機能を説明。1分ほどで3Dカメラでの形状測定から研磨部分の測定まで完了させた。

大気社と共同出展したサメス・クレムリンは液状ラップ塗布システム「イージー・マスク」を紹介。アメリカでは、自動車組み立て後の完成品の傷防止として液状ラップといわれる保護用のコーティング剤を塗装する工程がある。同システムはオーバースプレーなしで塗装できる優れもの。複雑な曲線にも対応でき、材料コストを高いレベルで削減できる。同社では自動車の他にも製品保護が必要な分野で提案していく。

樹脂製品や塗料などを扱う化学系商社の金森産業は樹脂用データベースサイト「Plabase(プラベース)」を紹介。材料の検索や新製品の記事、技術解説など豊富な情報を無料で見られるのが特長。同社では5年前から同サイトを立ち上げ情報発信を行っている。今年9月には新たに塗料の総合データベースサイト「COATAZ(コーターズ)」を立ち上げる。「塗料業界に関わる人から一般消費者まで、さまざまな人に塗料のことを知ってほしい」という思いから塗料の新たな情報発信サイトの立ち上げに至った。新製品の情報や市場の動向、技術解説などの記事をアップロードしていく予定。「気軽にサイトを見ていただければうれしい」(担当者)と9月のサイト公開に向け、準備を進めている。



関西ペイントブース
関西ペイントブース
大日本塗料ブース
大日本塗料ブース
日本塗料工業会ブース
日本塗料工業会ブース
大気社の「i-ART」を実装した研磨装置
大気社の「i-ART」を実装した研磨装置
サメス・クレムリンの「イージー・マスク」
サメス・クレムリンの「イージー・マスク」

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