東京都板橋区の志村城山町会と志村小学校、地元企業の三興塗料が協力して壁面に絵を施した「志村ペイントプロジェクト」。その完成披露セレモニーが7月11日、板橋区で行われた。足掛け2年を費やし、この度無事完成にこぎつけた。

今回プロジェクトの対象となったのは都営地下鉄の志村三丁目駅にほど近い御成塚通りの坂道の壁面。「以前から夜になると非常に暗く、地域住民からも『何とかしてほしい』との声も多かった」と話すのは井上一哉町会長。この道は地域の小中学生が通学路として使用しており、暗くなるのが早い冬にもこの道を通って帰らなければならないため、不安に感じる住民もいた。

この地域の問題に立ち上がったのが板橋区で塗料販売店を営む三興塗料。同社の取引先である塗装業者と施工チームを発足し、プロジェクトを進行。地元の志村小学校の児童も協力し、壁画の色付けを行った。三興塗料の清水雄一郎社長と施工チームは下地の洗浄、児童への塗り方のアドバイスや安全誘導などを行った。小学生たちはSDGsの17の目標や、「四季、夢、宇宙」をテーマに絵を描いた。

壁画が描かれた土地を所有している戸田記念国際平和研究所の迫本秀樹さんは「三興塗料さん率いる施工チームと小学生の皆さんに協力していただき、素晴らしい壁画ができあがった。今回のプロジェクトで塗装は防犯の役にも立っているのだと感じた」と明るくきれいになった通学路を見て笑みがこぼれる。

完成披露セレモニーではプロジェクトにかかわったメンバーの他、地域の小中学生も足を運んだ。あいさつに立った清水社長は「壁画の作成中に通りかかる地域の人たちから多くの応援をもらいました。私自身生まれ育った場所で地域の人たちと一緒に街づくりに貢献できてうれしい。コロナ禍で心を閉ざしてしまいがちな状況ですが、今後も地元企業として地域が明るくなる活動を行っていきたい」と力強く語った。