塗料販売店のデジタルシフト後押し

塗料販売業界で利用が多い販売管理システム「スーパー塗料」が続々と機能を強化している。開発・販売元のニューマネジメントシステム(本社・東京都足立区、青木文雄社長)は、今年1月に始まった改正電子帳簿保存法に対応した「電子データ保存」機能を今月リリース、帳簿保存に関わる業務負担が軽減する。更に来年10月から始まるインボイス制度への対応を進めている他、業務のデジタル化で要望の多い「電子請求書発行」機能も近日中にリリースする予定だ。塗料販売店の業務の効率化に向け進化を続ける。


塗料販売管理システム「スーパー塗料」の新たな機能として今月リリースするのは、「電子データ保存」機能。今年1月から施行された「改正電子帳簿保存法」に対応した新機能で、これまで紙で保管していた納品書や請求書類の控えを法に準拠したかたちでデータ保存できるもの。帳票類の保管に関わる作業をデジタル化し、業務負担を軽減する。

企業が発行する納品書や請求書などの帳票は、その控えを税法上7年間保管する義務があり、これまでは原則紙での保存が義務付けられていた。

そのため経理や業務部門の現場では、各種帳票の控えをコピーし、それらをファイリングする作業が発生。更に帳票を詰めた7年分の段ボール箱が倉庫などの場所を占拠し、紙の山から書類を探し出すのが一苦労といった煩雑な作業を強いられていた。

ただ、ビジネスにおけるペーパーレス化やデジタル社会に向けたIT利活用を目的に、従来の紙の保存から電子データで保存できるよう法整備が進められ、今年1月から「改正電子帳簿保存法」が施行された。

これを受け、同社の販売管理システムの導入社店から、「電子データ保存にスムーズに移行したい」との要望が多かったことから開発を急ぎ、今月から新機能を提供できる体制を整えた。

新たに始める「電子データ保存機能」は、スーパー塗料で発行済みの納品書や請求書の控えを、システムから簡単な操作でPDFファイルに自動的に変換し電子保存できる。

その際、電子データで保存するときの方法について定めた国税の条件に準拠。営業所や締切日、得意先正式名称、当月買上額、得意先コードなど国税が規定するファイル名がシステム内で自動的に付与されるため、ファイル名を手入力する必要がないのが特長だ。「PDFファイルに変換しても、1枚1枚の帳票にファイル名を手入力するのはかなりの手間ですが、それを省いたことで電子帳簿保存にストレスなく移行できます」(同社担当者)と新機能の特長を説明する。

その結果、帳票のコピーやファイリング作業にかかっていた手間がなくなり、業務負担が大幅に軽減。紙の帳票はデータとして外部ストレージに保存することで、書類の段ボールに場所を取られることもない。更に、ファイル名検索で即座に探し出すことができるので紙の山と格闘する必要もなくなり、帳票の紛失リスクも減るなど帳簿保存に関わる業務スタイルを大きく変えた。

同「電子データ保存」機能は、販管システム「スーパー塗料」のVer14、15に対応。電子保存自体は事業者の任意のためオプション機能とし、今月から提供を始める。「帳簿の電子保存を始めたいとの声を多くいただいており、できるだけリーズナブルなオプション価格で対応していきたい」と要望に応える。

インボイス、電子請求書発行にも

また、法改正への対応では来年10月から始まるインボイス制度への対応の準備も進めている。課税事業者に課される仕入税額控除のための新たな制度で、控除の適用には規定事項を記載した「適格請求書」の発行や保存が必要になる。

このため、スーパー塗料が発行する納品書や請求書が法に適合したフォーマットとなるよう準備を進めている。適格請求書発行事業者の登録番号、軽減税率対象品目の明記、税率ごとの合計価格や消費税額など適格請求書へ記載が必要な事項を網羅、インボイス制度対応へのスムーズな移行をサポートする。インボイス制度の開始に間に合うよう、来年春ごろからの提供を予定しており、スーパー塗料のVer.13、14、15に対応。こちらは法律で義務化されるため、サポートサービスとして対応していく予定だ。

一方、業務のデジタル化に伴って近年要望が高まってきているのがWebによる請求書発行。請求書を印刷し、三つ折りにして封入、切手を貼って郵便局に持ち込み発送といった一連のアナログな作業をデジタル化で効率化したいとの要望が多い。

このためスーパー塗料を、電子請求書発行システムでシェアNo.1の「楽楽明細」と連携させ「電子請求書発行機能」を新たに備える。

システムから帳票データを楽楽明細にアップロードするだけで、発行先に応じて「Web」「メール添付」「郵送」「FAX」のいずれかの方法で自動的に割り振って発行。手間のかかっていた印刷・封入・発送の作業がなくなる。

また、自社の請求書の体裁を保ったまま発行できるのも楽楽明細の特長で、電子請求書発行への移行もストレスなく行える。「電子請求書発行の機能に関しても多くの引き合いを頂いており、年内にはサービスの提供を始めたい」とし、塗料販売店のサポート体制を充実させていく。



電子保管で業務の効率化を支援
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