塗料の海外販売サポートを開始

塗料色見本帳や塗料計量カップ、ノベルティ商品の制作販売を手掛けるエーエムエンジニアリング(本社・大阪市、社長・雨皿貫氏)は、国内塗料製品の海外販売支援を開始した。塗料メーカー及び販売会社の販路拡大支援を目的に長年に及ぶ海外事業で構築したネットワークを活用し、輸出業務や現地代理店の紹介などを行う。既に一部の塗料メーカーが同社サービスを活用しており、日本ブランドの海外展開を活性化させたい考えだ。


同社は、塗料色見本帳・カタログ、プラスチック計量カップなどの製造、販売を手掛ける製造輸入会社。内装用パテメーカーの米・レッドデビル社の日本総輸入元としても知られており、中国ビジネスで長年のキャリアを持つ塗料メーカー出身の故・雨皿裕史氏が創業。LED付キャップなどノベルティグッズの受託製作も手掛けており、塗料関連企業の求める商材開発で事業を拡張してきた経緯がある。

特に主力の色見本帳事業においては、中国・大連に現地事務所及び工場を保有する他、中国、韓国に協力工場を抱えるなど20年以上にわたって海外事業を展開してきた実績がある。その意味で今回の海外販売支援サービスは、自社の事業拠点や人的ネットワークといった海外ビジネスのノウハウを集約した事業と位置づける。

具体的なサービス内容は、輸出業務、現地代理店の紹介・斡旋、物流、販促ツールの作成など現地販売に関わる業務全般。塗料品種については、建築用塗料や家庭用塗料、工業用塗料など分野は問わないという。

中でも同社が得意とするのが輸出業務だ。

「国ごとに異なる化学物質規制やリスク管理規制に対応するためには、相当の経験を要する」(雨皿社長)と説明。特に書類作成実務においては、専門性を有した翻訳スキルが求められる領域。「中国の場合、現地に塗装工場を有している点も輸入の許諾に大きく寄与している」とメーカーでない点も優位に働いていると示す。

既に海外販売支援サービスを活用する先述の塗料メーカーにおいては、自社ではできなかった塗料製品の輸出を同社にオファーしたことで協業がスタート。同社としては、日本に塗装品を送る現地塗装工場が国内の規格認証塗料を求めていたことに対応したものだが、輸出入業務のノウハウがメーカー、ユーザーの安定供給を支えた事例となった。

現在、海外支援サービスの対象国は、現地企業との関係を従前から有する中国、韓国、アメリカ、カナダの4カ国。「中国を含むアジアにおいては、塗料製品に対しても日本ブランドの信頼度は高く、市場性は高いと感じている」とコメント。「更に円安も海外展開の追い風になっている」と利用拡大に期待感を示す。

同社は、業界企業の海外支援を多角的にサポートする姿勢を打ち出しており、昨年は中国の現地事務所スペースと現地人材を貸し出す海外出店アシストサービスをスタート。

中国市場に関心を持ちながら、自前の拠点を持たない企業を対象にしたサービスで、同社のオフィスや人材を自社社員として活用できるのが特長。現地には日本語ができるスタッフが在籍し、市場・与信調査やSNSを使った情報発信、販売業務など、事前に定めた時間内であれば自由に仕事を依頼することができる。 

中国展開における初期コストを抑えられるとして、既に塗料メーカー数社が出店アシストサービスの利用を決定。国内顧客を基盤にした海外仲介事業に多彩さを見せている。



HOMENew Trend塗料の海外販売サポートを開始

ページの先頭へもどる