東京都品川区の「天王洲アイル」。今、アートの島として注目されているエリアだ。水辺とアートをキーワードに賑わいと魅力あるまちづくりを推進、その象徴的な活動として「TENNOZ ART FESTIVAL」と称したプロジェクトが2019年から継続開催されている。今年はニューヨーク在住の現代アーティスト・山口歴氏の迫力ある壁画が運河沿いのビルの壁に出現、"アートのまち"を一段と印象づけた。その壁画製作に、日本ペイントが塗料の提供で協力した。

今回、山口氏が壁画を描いたのは、天王洲アイルの運河に面した「T33ビル」の壁面。周辺は海外の街並みのようなフォトジェニックなエリアで、水面に映える山口氏のダイナミックなアートが加わり、街の魅力を一層引き立てている。

現在、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動している山口氏は、絵画表現における基本的要素「筆跡/ブラシストローク」の持つ可能性を追求したさまざまな作品群を展開。今回のアートも、4色で表現されたダイナミックな筆跡をイメージさせる壁画で、「筆跡とは人間が何か描くもの。それがビルの壁面にあると巨人が描いた筆跡のようで面白いのではないかと感じました」と日本ペイントが行ったインタビューで答えている。

また、壁画の中で印象的な色の青について、「一番彩度の高い青が好きなんですが、現実の塗料の色に落とし込むと画面上の彩度ほどには再現できません。日本ペイントさんにはその青色の限界に一緒に取り組んでもらいありがたかった」と色への思いも語った。

2019年から継続開催されている「TENNOZ ART FESTIVAL」は、周辺エリアで18箇所、22組のアーティストによる壁画や立体アート展示による国内最大級のミューラルプロジェクトが進行中。運河沿いの建築物の壁や公共施設の壁面など、街づくりにおける壁画の可能性が垣間見えて面白い。https://tennoz-art-festival.com/