ドイツ化学品商社のボド・ミラー・ケミー(BMケミー)が日本市場に参入する。新たに日本法人としてボド・ミラー・ケミー・ジャパン(本社・東京、代表取締役社長・ジュリアン・ベイショア氏)を設立し、昨年記者会見を行った。

BMケミーはダウやデュポン、ヘンケルなど200社以上の仕入先から商品を販売する化学品商社で、営業品目は接着剤、難燃剤、潤滑剤、塗料用樹脂、紫外線吸収剤などを取り扱う。37カ国に現地法人を持ちグローバル展開を進め、従業員340人のうち技術系エンジニアが150人を占めている。

同社では2016年からアジア展開を開始し、これまでに中国、インド、タイ、ベトナムに現地法人を設立し、今般、韓国法人と同時に日本法人を設立した。商社でありながら、各地域にラボラトリーを有しており、各種データ取りのための試験体制を整えている。

テクノロジー担当バイスプレジデントのクリストフ・シュネル氏は「当社は技術力を強みとして、お客様の課題にソリューションを提供しており、日本市場に対して欧州にしかない技術を紹介していきたい。製品開発はしないが、仕入先メーカーの代わりに市場開発を行う中で、今ではなく将来を見据えたメガトレンドに注目した市場開発を行っていく」と戦略を示した。

BMケミー・ジャパンの代表取締役社長であるジュリアン・ベイショア氏は「メーカーに代わって取り扱い製品のスペックイン活動だけでなく、日系企業の海外工場の支援も行っていく。また、日系企業の技術を海外のお客様に提案営業もしていきたい。近い将来には日本にもラボラトリーを開設したいと思っている」として国内展開を推進する。

塗料関連では最終製品は販売せずに塗料メーカーに対し、顔料や樹脂、紫外線吸収剤といった原料を提案していく方針。同社は「バイオマス系樹脂など日本にはない技術が多くある」として積極的に提案していく。

2029年までに売上30億円を目標に掲げており、日本法人の従業員数は10人規模にする計画。日本市場の展開においては2次代理店を募集する。