スマートフォンやタブレット端末を利用して塗料販売業の仕事の効率化を図るソフトが発売された。塗料販売向け販管ソフト「スーパー塗料」の開発、販売元・ニューマネジメントシステム（本社・東京都足立区、青木文雄社長）は、塗料販売店の営業担当者が外出先からスマホやタブレットで得意先の過去履歴の照会や受注メモの転送を行える「スマホ・タブレットソフト」を開発、７月からサービスを始めた。ほとんどの人が携行しているスマホを塗料販売業務の現場で有効活用、「仕事のスピードと精度を高め、働き方改革にも寄与するシステム」として展開に入った。
新発売の「スマホ・タブレットソフト」に搭載した機能は「得意先元帳の照会機能」と「受注メモの入力・転送機能」の大きく2つ。
同様の機能をタブレット端末のiPadで利用できる「タブレットソフト」を2年前にリリースしていたが、『タブレットより普及しているスマホで使いたい』『iPad（iOS）だけでなくAndroidの機種でも使いたい』などの要望が多く寄せられていたことから、今回、iOS及びAndroidの両方の基本ソフトウエアに対応した機種（スマホ及びタブレット）で利用できるソフトとして開発した。業界で最も普及している塗料販売管理ソフト「スーパー塗料」の最新バージョンを導入している社店で利用できる。
基本機能の「得意先元帳の照会機能」はスマホ（タブレット）から自社の基幹の販売管理ソフト（スーパー塗料）の得意先マスタ・得意先元帳をリアルタイムで照会できるというもの。
得意先から過去に購入した商品の単価の問い合わせなどがあった場合、得意先一覧から過去の購入履歴一覧に進み、該当商品を素早く照会、回答することができる。商品コードが分からなくても商品名の一部や色名、現場名など多彩かつ簡便な情報で該当品の絞り込みを行える。スマホ（タブレット）画面上のボタンをタップするだけの簡単操作もセールスポイントだ。
得意先ごとや購入量によるスライド単価、現場特価など汎用塗料の価格設定はとても複雑。このため営業マンに得意先から単価などの問い合わせがあった場合、その度に事務所に確認の電話をするなど非効率な業務が強いられている。
同社のヒアリングによると「塗料販売店さんの業務担当など内勤の方は、得意先や自社の営業社員からの問い合わせ対応で1日8時間勤務のうちの2～3時間程度取られている実態があります。自社の社員からの問い合わせがなくなるだけで、業務の大幅な効率化が図れますし、その分を他の仕事に振り向けられ生産性も向上します」と今回の新ソフトの導入メリットを説明。問い合わせた得意先はもとより、営業担当者、業務担当者の３者の仕事がはかどりストレスを軽減。特に内勤者の業務負担軽減に貢献する。
得意先元帳にアクセスする機能では、この他に「得意先情報」や「納入先情報」も搭載。グーグルマップで得意先や納入先現場などの地図も表示され、新入社員や配送ドライバーにとっても利便性の高い機能を実現した。
ワンコイン（月額）で業務改善
今回の「スマホ・タブレットソフト」のもう１つの機能である「受注メモ機能」は、営業マン自身が外出先で受注処理をできる機能。
これまで、外出中の営業マンに得意先から注文の電話が掛かってきた場合、それをメモして内勤の受注担当に電話するか、帰社後に自ら処理する方法が取られていた。
今回の受注メモ機能は、注文を受けた商品を得意先の過去履歴や商品マスタからスムーズに特定でき、そのまま内勤の受注担当者のパソコンに受注情報を送信。アラートで受信が知らされ、内勤担当者がスムーズに受注・発注業務に移れるという仕組みだ。在庫の有無ともヒモ付けされる。「特に自動車補修塗料の営業の方は外出先で注文を受けることが多く、このような機能があったら便利とお聞きし開発しました。夕方帰社後に受注処理をする手間が省け、時間短縮や業務の改善につながります」（同社担当者）とメリットを説明する。
製・販・装の業界の各業種の中でも特に人材の確保が困難になっている塗料販売業。煩雑な業務処理やそれに伴う長時間労働などが要因になっていることは否めない。「働き方改革が叫ばれている中にあって、システムの側から少しでも業務改善、労働改善につながる仕組みづくりに貢献していきたい」とし、塗料販売管理ソフトシェアNo.1の「スーパー塗料」の開発・販売元としての役割を自認する。
なお、今回の「スマホ・タブレットソフト」の導入に当たり、導入する社店の専用サーバの設定などに初期費用10万円、基本機能の「得意先元帳照会機能」は端末1台当たり月額500円とワンコインでの導入が可能だ。「受注メモ機能」は会社や担当者によって要否があることからオプションとし、同じく月額700円の廉価設定とした（費用はいずれも税別）。
「内勤の方の問い合わせ業務に掛かる時間を時給換算しただけでもお値打ち感があると思いますし、それ以上に営業―内勤の双方の業務負担の軽減でメリットがあると思います」と説明。今後も営業マンの日報入力や見積もりメモ、仕入・商品元帳、在庫照会などのコンテンツを揃え、業務改善、働き方改善につながる機能を充実させていく意向だ。
