35年以上の実績を持つ箔押し工房の武蔵屋(本社:埼玉県本庄市、代表:三嶋孝之氏)は、伝統工芸の箔押しとペイントを融合させた「金箔美ペイント」の受注を開始した。伝統にとらわれない斬新な表現で、オシャレな鉢植えや調度品に採用されるなど新たな需要創出を図っている。

ウレタン塗料で下地を作った後に純金箔や純銀箔を箔押し。その後黒のラッカーで箔を残すようにスプレー塗装し大理石風のデザインを表現する。素焼きの粘土やプラスチック、金属など幅広い素材に塗装でき、凹凸のある形状にも対応可能。ウレタンクリヤーで仕上げるため、マット仕様など製品の艶を調整することで表現の幅を広げている。

品物の材質や形状を選ばない箔押し技術は、老舗額縁メーカーの「岡村多聞堂」での採用実績があるなど評価は折り紙付き。代表の三嶋孝之氏がすべて独学で体得したという箔押しの職人技と塗装のコラボレーションが個人や企業の目を引き、カーレストア専門店でバイクのタンク部に同ペイントが導入されるなど、表現の場は未知数だ。 

「進化と継承」をコンセプトに新しいアイデアを大事にする武蔵屋は、若い女性職人の育成にも熱心。娘の智恵さんは20歳の頃から父・孝之氏に師事し、箔押しと塗装の技術を一から叩き込まれた。今では若い女性の発想力を生かし、箔押しに蓄光塗料や蛍光塗料を吹き付け、暗所で異なる空間を演出する「ギャラクシー」など、新たな表現方法を日々提案している。「新しい塗装に挑戦したい企業や表現に妥協しない武蔵屋のこだわりに共感してくれる人とぜひ協働して、箔押しの表現を地元埼玉から発信していきたい」(智恵さん)と更なる需要開拓を狙っている。

問い合わせはホームページ(https://www.hakuoshi-musashiya.com/)より。