大阪・住之江に新物流センター開設
来年、本社業務機能の集約へ

好川産業は、来年に控えた創業100周年記念事業として西日本物流センターを新築移転した。8月7日、同社役員・社員及び設計・施工を請けた大和ハウス工業の計15名が参加し竣工式を執り行った。同センターは、関東の一部と静岡西部以西のエリアをカバーする同社最大の物流拠点となり、来年には本社大阪営業所や本部業務部などを集約する予定だ。


新・西日本物流センターは、大阪市南部の住之江区に位置し、住之江公園や競艇場と近接する立地。新なにわ筋の愛称を持つ府道29号線にほぼ隣接し、大阪メトロ四つ橋線「住之江公園駅」からも徒歩9分と車、電車ともにアクセスしやすい立地にある。

土地の取得は2017年。「きれいな長方形で周囲に迷惑をかけることなく車が出入りできる点が決め手となった」(好川久雄社長)と更地の状態で4,650㎡の敷地を確保し、昨年5月に着工。コロナ禍で工期の遅れも懸念されたが、予定通り今年8月の竣工にこぎつけた。

建屋は、敷地面積の約4割を占めるスペースに鉄骨造5階建て(延べ床面積約9,455㎡)を建設。倉庫、事務所が内部でセパレートされた構造で倉庫と隣接する形で危険物倉庫も構えた。

計5フロアを擁する倉庫部分は、1階をフォークリフト走行専用倉庫とし、高さのあるパレットラックを配備し、重量物や大型品などを保管。2階以上は、資材の大きさや種類によって分類している。また最上階の5階は当初屋上として利用する予定だったが、急遽屋根を敷設する設計に変更し、ストック量を増やした。 

全体の在庫量は、大阪市中央区農人橋にあった旧・西日本物流センターの1.5倍の在庫スペースを確保。なお、旧物流センターは売却する。

今回の新築移転に際し、特にこだわったのが職場環境の整備。「夏場の暑さを和らげるためにも空調設備は何としてでも設置したかった」(好川社長)と2階以上はもとよりトラックからの荷下ろし、荷積みが頻繁に行われる1階部分にも空調設備を配備。ダクトの開閉で温度調節を可能にした。

一方、事務所棟は、本社業務機能の集約を視野に将来への布石を踏まえた設計を施した。

まず1階は、開放感と清潔感のあるエントランスに加え、ショールームとしても使える多目的スペースを確保。2階は来年に移転予定の大阪営業所のスペースを設けた他、商品テストや実験を行うためのラボ室を設置した。扱い商品の見極めとともに、オリジナル製品の開発を積極化していく意向だ。

3階はDIY営業部、応接室、書庫などを配備。4階は加工室、5階はパーテーションで区切られる大会議室を設置し、事業拡大に備え柔軟性を持たせたレイアウトとなっている。

新物流センターは、8月8日に移転作業を行い17日から操業を開始。人員は旧流通センターに従事していた約40名の従業員(パート含む)がそのまま配属される。大阪営業所や本社業務部、DIY業務部などは来年夏頃の移転を予定している。

売上倍増、事業領域を拡大

好川社長が新物流センター建設の構想を抱いたのは5年前。2000年に旧物流センターを設立したが、その間仙台営業所、北関東営業所の開設と営業エリアを拡充。「売上高も10年前と比べて倍近くになっており、倉庫は既にパンク寸前の状態だった」とストックヤード拡充が不可避の状況だったと説明する。

また数年前に新規事業として開始した塗膜剥離事業も安全対策と鉛、PCB、アスベスト対策の強化を追い風に需要を拡大。オリジナル製品の塗膜剥離剤の他、負圧機や防護服など関連資材の販売拡充につなげている。

今回の新物流センター開設に伴い同社としては、仕入れ力と即納体制を強化し、収益向上につなげたい考え。好川社長は「コロナ禍も加わり、塗装市場は苦戦が続くが安全対策や施工効率化を観点に資材・機器の重要性が一層高まる。今後は、工業用向けも新たな領域として挑戦したい」と成長へ意欲を示した。

◇好川産業西日本物流センター△所在地:〒559-0022大阪市住之江区緑木2丁目5番62号△連絡先:☎06-6115-3803、FAX06-6115-3804△敷地面積:4,656㎡△構造規模:鉄骨造5階建、延床面積9,455.84㎡△設計・施工:大和ハウス工業神戸支社



西日本物流センター前景
西日本物流センター前景
倉庫1階、重量物・大型品を保管
倉庫1階、重量物・大型品を保管
開放感のある1階のエントランス
開放感のある1階のエントランス

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