キシラデコール50周年、タレント・ヒロミさんを起用

木材保護塗料「キシラデコール」が今年発売50周年を迎えた。1971年に国内販売を開始して以来、木材保護塗料市場を牽引してきた同社が、記念キャンペーンで白羽の矢を立てたのが、タレントのヒロミさん。「家族を大事にしつつ、テレビで塗装や大工仕事を軽やかにこなす姿がキシラデコールのブランドイメージとマッチした」と起用を決めた。木材回帰やDIY需要に堅調さが見られる中、50周年をファン拡充の契機と捉えている。


木材保護塗料「キシラデコール」の歴史は、1971年に当時経営母体だった武田薬品工業がドイツの塗料メーカー・Desowag社(現アクゾノーベル)とライセンス契約を締結し、国内販売を開始したことに遡る。

当時屋外木部には、ペンキ(合調ペイント)やオイルステイン、柿渋などが主流を占めていた中で、カビや腐朽から木部を護る木材防腐薬剤を配合した木材保護塗料は"新種"の存在。日本特有の気候環境や需要家のさまざまな嗜好ニーズに応える地道な現場サービスを下支えに、木材の美観と耐久性を両立する製品との市場評価を重ね、木材保護塗料の代名詞とも言えるブランドに成長した。

製品展開においても当初の輸入販売から現在はすべて国内生産にシフト。2005年に大阪ガスケミカルグループに経営を移管して以降、メンテナンス需要の高まりにも着目し、低臭タイプや造膜型、水系タイプなど製品ラインアップの拡充を進めている。

そうした50年の歩みの中で強みになっているのが、圧倒的なブランド認知度と製品自体の付加価値性の高さ。

木材保護塗料の市場規模は約55億円(2018年度本紙推計)と、モルタルセメントやサイディング材の普及により徐々に市場規模が縮小しているものの、「キシラデコール」は長年にわたり市場シェアの過半数を保持する。

建築用塗料全体から見れば、わずか数十億円のニッチ市場ながら、ホームセンターやネット通販などの小売市場では常に売れ筋商品に位置し、末端価格で約3万円(石油缶14ℓ)の高水準を維持するブランド力は、競合ひしめく木材保護塗料市場全体の付加価値向上にも寄与している。一昨年には、新しく竣工された国立競技場の軒庇及び軒天の木製ルーバーに採用され、ブランド向上に弾みをつけている。

愛されるブランドへ

こうした同社のブランド力を更に押し上げファン拡充につなげるのが今回のキャンペーンの狙い。昨年1月、テレビ番組を通じてヒロミさんが「キシラデコール」の愛用者であるとの情報をキャッチし、すぐさまイメージキャラクターとしてオファーしたところヒロミさんサイドも「キシラデコールなら」と快諾。ポスター撮影の際には、ヒロミさんが「芸能界で"キシラデコール"って普通に言えるのは俺ぐらいだと思うよ」と気さくに答える姿がメイキングムービーにも収録されている。ヒロミさんの実父が大工で工務店を営んでいたことも良く知られた話だ。

同社がヒロミさんをイメージキャラクターに起用した大きな要因には、そうした出自も含め、プロである職人からの人気も高いことがある。「DIYとは言え、ヒロミさんが大工仕事や塗装をする姿は、自分の仕事を応援してくれている存在として好感度が高い」こともプロ、DIYの両面で展開するキシラデコールのイメージにマッチした。

年明けからは、ヒロミさんが登場するスペシャルWEBサイトを開設。塗料販売店にポスターを配布する他、業者向け先行キャンペーンとして1月5日から2月28日まで内装用塗料「キシラデコールインテリアファイン」の購入者に「キシラデコールと八王子リホームとのコラボ限定オリジナルカラーTシャツ」を先着1,000名に進呈。3月からは本キャンペーンとして10月末まで、キシラデコールシリーズの購入者に対しキシラデコール賞としてコラボTシャツ(5,000名)、感謝賞として記念QUOカード(500円)を5,000名にそれぞれ抽選でプレゼントする。

同社保存剤事業部長の郷田泰弘氏は、「キシラデコールの50年は、顧客や現場の声を聞きながら改良、進化を続けてきた歴史でもある。木造建築の高層化構想やコロナ禍で浮上したDIY需要を好機と捉え、よりたくさんの方に愛されるブランドとして、これからも進化、成長させていきたい」と話す。



写真提供:大成建設株式会社
写真提供:大成建設株式会社

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