循環式ブラスト工法普及に新工場を建設
テクニカルセンター機能を完備

塗装専業者のヤマダインフラテクノス(本社・愛知県東海市、代表取締役・山田博文氏)は約10億円を投じ新社屋及び新工場を建設、11月から本格的に営業をスタートさせた。橋梁塗り替え工事の素地調整向けに独自開発した循環式エコクリーンブラスト工法などのテクニカルセンターを兼ね備えており、「全国の工事現場に安定して供給することを目的としている。『ゴミを減らして世界を変える』をモットーに更なる飛躍を目指す」(山田社長)と事業拡大を推進する。


ヤマダインフラテクノスは昭和40年に山田塗装として法人登記し、半世紀にわたり橋梁塗装をメインに展開してきた。50周年を迎えた平成27年に現在の社名に変更し、社会インフラの整備、中でも橋梁に特化した補修工事を手掛ける会社として新たなスタートを切っている。

同社は橋梁塗り替え工事の素地調整で用いられるブラスト処理において、一般的な研削材とは異なる金属系研削材を使用することで、研削材を循環・再利用し産業廃棄物を大幅に削減できる「循環式エコクリーンブラスト工法」を開発し展開している。

近年は循環式エコクリーンブラスト研究会や一般社団法人日本構造物循環式ブラスト技術協会といった団体を通して全国各地で採用が増えている。

更に循環式エコクリーンブラスト工法とショットピーニング処理を併用したエコクリーンハイブリッド工法を確立。橋梁の塗り替え工事におけるブラスト施工時に鋼球を用いたショットピーニングにより、溶接部に圧縮残留応力を付与し疲労耐久性を向上させることから橋梁の長寿命化に寄与する工法として普及を図っている。

新工場は「これらの工法を普及、教育するための拠点とする」(同社)狙いがある。ブラスト処理装置の組み立てやメンテナンスなども行う。

新社屋及び新工場は敷地面積4,740㎡、本社棟と工場棟からなり総延床面積は2,246㎡。本社棟は2階建てで、開発部・工事部の各フロア、会議室、応接室、役員室、詰所、シャワールーム、更衣室などがある。工場棟は平屋建てで、循環式エコクリーンブラストなどの各種装置の組み立て及び整備などを行う。

山田社長は「高度成長期に建設された社会インフラは非常に老朽化が進み深刻な問題を抱えています。当社が主に携わる塗り替え工事においても、工事の発注量が年々増加する傾向にあり、それに伴って工事から発生する産業廃棄物が膨大な量となり深刻な環境問題を引き起こしています。当社はその問題を解決するため『ゴミを減らせば世界が変わる』をテーマに掲げ、人と環境に優しい工法の開発を進めてまいりました」と述べる。

塗装専業者として塗装工事にとどまらず独自の工法を確立。他社との差別化を図り市場での優位性を示し成長してきた。

今後、「ゴミを減らせば世界が変わる」から更に進んで「ゴミを減らして世界を変える」をモットーに事業拡大を図っていく。



新社屋及び新工場の外観
新社屋及び新工場の外観
竣工式でテープカットする山田社長(中央)
竣工式でテープカットする山田社長(中央)

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