水谷ペイントの昨年の塗り床事業は、コロナの影響で主要販売店の顧客である自動車関連工場が一時操業停止に見舞われるなど、全体量は前年を下回った。それでも「衛生関係の製造業など好調な業種もあり、裾野の広さが下支えした」(担当者)とコメント。「むしろ工場の美観への意識は、年々高まっている」と環境と性能を両立した高付加価値製品を軸に販売店と協業する材工展開に厚みを加えたい考えだ。

同社は昨年、新製品として「ボウジンテックスシールプライマー」と「水系ボウジンテックスアルファクリヤー」を発売した。

「同シールプライマー」は、下地の水分による影響を大幅に軽減する下地調整兼用プライマー。高含水率コンクリートに優れた付着性を発揮し、水分による膨れや剥離を抑止。プライマー機能も保持しており、置換発泡がない場合は再度下塗り後、そのまま上塗り仕上げができる。

「同アルファクリヤー」は、モルタル・コンクリート面の素地を生かした仕上げができる水系アクリル樹脂クリヤー塗料。艶あり、艶消しを揃えた軽歩行用の保護コートで、落ち着いたモルタル仕上げ(艶消し)を実現する。

加えて主力製品として需要を伸ばす水系硬質ウレタンコンクリート塗り床材「ボウジンテックスUコンⅡ」の改良も実施。「評価を頂いている塗膜の強靭性を維持しつつ、作業性を大きく改善したのが大きなポイント」とコテ作業における材料の伸びを高め、ユーザーの負荷を軽減した。