新型コロナの影響で昨年春から夏にかけて需要が停滞したものの、「秋以降は対前年を上回るペースに回復している」(担当者)と塗り床材の販売動向を説明。緊急事態宣言の再発令があったものの、「工場など物づくりの現場における製品品質の確保、労働環境の整備といった面で床のメンテナンスは企業にとって優先度の高い営繕分野」(同)との見方で、注力していく姿勢に変わりはない。

塗り床材の展開において同社が重視しているのが、工場の従業者によるセルフメンテンナンス需要だ。QC活動や5Sに伴う需要が一定量あると見ており、その獲得に注力する。各種の工場を得意先に持つ同社の工業用塗料部門と連携しながら、工場従業者によるセルフメンテンナンスの施工指導も継続。「ユーザーと近しい存在になることでファンを広げ、リピートオーダー、固定需要の拡大につながっている」と着実に販売を伸ばしている。

こうしたセルフメンテンナンス需要で戦略商品に位置付けているのがエポキシ系2液厚膜タイプの「ユカトップローラーエポ」だ。「セルフメンテナンスでも薄膜・防じんタイプから、より耐久性・強靭性・美観性に優れる厚膜タイプへのニーズが高まっており、工場の従業員の方がローラーで施工できる厚膜タイプとして揃えたもの」(同)と説明。施工指導で広げてきたハードユーザーを背景に、薄膜タイプよりも難易度の上がる厚膜タイプの販売も増加。セルフメンテ需要における拡販と高付加価値化の両立を狙う。