グラコは7月26日、横浜市の本社で建築塗装用機器の新製品発表会を開催した。当日は代理店約20名が参加し、製品の理解と親睦を深めた。

2017年以来、6年ぶりとなる新製品発表会で紹介したのは、コードレスエアレススプレーヤー「Ultra Quick Shot」(クイックショット)、エア駆動式高圧エアレス塗装機「Contractor King」、電動エアレス専用低圧チップ「RAC X LP Tips」の3製品。いずれも塗装作業の効率化を特長としており、同社CEDセールスマネージャーの前川和大氏は「塗装現場の人材不足が深刻化する中、当社としては1人当たりの仕事量を増やす提案ができるチャンスと捉えている」とアピール。「100㎡を10分で塗布できるエアレス塗装のメリットを多くの方々に知って頂きたい」と代理店に対し拡販の協力を求めた。

中でも今年3月の発売以来、人気を集めているのが「クイックショット」。「2カ月足らずで販売台数が500台を超えた」(担当者)と、現在も口コミ的に販売を伸ばしている。

同品は、2010年に発売した「トゥルーコート」から数えて5世代目にあたる充電式コードレス型エアレス塗装機。4世代目の「ウルトラマックス」までは、ポンプとガンの一体構造となっていたが、「クイックショット」はホースを活用し、ポンプ本体とガンを分離。ポンプ本体を腰ベルトに装着することが可能となり、高所や狭所など電源を気にすることなく自在な場所に塗装することができる。

主な用途はシャッターやタッチアップなど。ノズルを引いた際の塗料切れも良く、「入り隅や見切り部を一瞬で仕上げることができる」と使い勝手の高さを訴求する。

ガン重量は363gと軽量、小型ながら吐出圧力34~138barとパワーも確保。ガン向きによる塗料吐出の不具合もなく、ガン角度も上下左右自由に動かすことができる。ポンプ交換も簡便で「本体価格の6分の1程度に抑えることができる」とメンテナンス性も確保した。

「Contractor King」は、造船所、鉄工所など向けに開発した大容量エアレス塗装機。従来機種の「King」と比べて45%の軽量化を実現し、1人での積載を可能にした。

性能面は、高耐久性を保持し、スプレーガン「Silver Plus HP」との組み合わせで500barまでに耐えうる高圧塗装を実現。ポンプ交換も簡便で本体をそのままに「45:1」「60:1」「70:1」とロアポンプの交換で能力を変更できる。

「LP Tips」は、新開発の低圧チップで27種をラインアップ。低圧下においてもテール筋が出ない安定した塗装環境が得られるのが特長。塗料使用量の削減、飛散低減、機材の長寿命化に寄与する。

説明会後はラボに移動し、各機種の実演塗装を実施。ポンプ交換の手順やトラブル時の対応など、現場を想定した質問が多く寄せられた。