建築・建設業向けソフトウエア開発のサンユー販売（本社・大阪市）が展開している、外壁・屋根の拾い出しシステム「坪拾い」が塗装業界に広がり始めている。建物の面積計測など手間と時間の掛かっていた拾い出し作業を、簡便、スピーディーで正確に行えるのがセールスポイント。現場管理者などの作業負荷軽減に役立つシステムとして広げていきたい意向だ。

屋根や壁の面積、鉄部や樋、シーリングの長さなどの計測を行う"拾い出し"作業。塗装工事の見積りに不可欠なこの作業は、主に現場管理者の事務所ワークとして行うケースが多い。建物の図面から各部位の数量の拾い出しを行うが、手間と時間がかかり残業が長引いてしまうこと、また三角スケールなどによる"手拾い"は正確性の観点からも課題があった。

サンユー販売が展開している外壁屋根の拾い出しシステム「坪拾い」は、手拾いで行っていた拾い出し作業をデジタル化し、作業者の負荷軽減と拾い出し結果の正確性を高めたもの。

「坪拾い」による作業の流れは、紙ベースの立面図（屋根は伏図）をコピー機のスキャナーで読み込み、寸法の分かる任意の1カ所だけ実測値を入力すると図面全体の縮尺が実寸に変更される。図面がPDFやCADデータの場合などはそのまま読み込むことができる。また、図面がなく写真データの場合でも正面化機能で補正が行われ、図面と同じように作業することが可能だ。

あとは屋根や壁など拾い出ししたい箇所をポインターでなぞり、開口部も同じように指定して減算、拾い出し作業を行うといった寸法だ。雨樋やシーリングのメートル数も簡単に拾い出しできる。「手拾いに比べて圧倒的に作業時間が短くなる上、事務作業の方などどなたでも扱える簡便さもセールスポイント。根拠が明確な見積りで受注力アップにもつながる」（担当者）と導入のメリットを説明する。物件数が多いほど効果が大きいとし、戸建てなど住宅の塗り替え市場に向けて展開を強化する意向だ。