日本経済新聞社主催の「街づくり・店づくり総合展」が3月1日~4日、東京ビッグサイトで開催され、同展内で恒例の店舗総合見本市「JAPAN SHOP2022」が開かれた。167社、485小間の出展規模となった(リアル・オンライン合計)。

商空間の最新デザインを発信する「JAPAN SHOP」は建築業界全般でも注目の展示会。商業建築の先進的なデザインはやがて住宅や公共建築に波及、そのトレンドに関して建築関係者の注目度が高い。

今回、「JAPAN SHOP」に出展した塗料メーカーはエスケー化研。店舗建築において空間を彩る高意匠性仕上塗材を中心に出展、湿式仕上材ならではの空間演出力を訴えた。

中でも目を引いたのは、新商品として展示したモルタル調仕上塗材の「FINE MORTAR(ファインモルタル)」だ。マットで無機質なモルタルの質感は、商空間をスタイリッシュに演出するとして人気のトレンドで、「ポイントは、モルタル調の高度な意匠を再現する施工体制を広範囲な地域で整えていることと価格対応力」とアピール。設計やデザイナーがスペックしやすく、かつ現場の手離れの良さを強みとし店舗設計の市場で存在感を高めていく。同品は内外装用の特殊仕上塗材で、モルタル調、テラコッタ調の12色のバリエーションを揃える。

ダイナミックな展示方法で毎回注目を集めるアイチ金属は、今回も異彩を放った出展を行った。

同社は、ドイツ生まれの特殊メタルコーティング材「Vero Metal(ヴェロメタル)」の国内正規代理店。液体金属(ヴェロメタル)をポルシェに全面塗装して注目を集めた昨年に引き続き、今回はヴェロメタルを全面コーティングしたキッチン「METAL KICHEN」を出展、存在感を示した。METAL KICHENは世界的な家具ブランドIKEAとのコラボによるもので、IKEAのキッチンの各パーツにヴェロメタルをコーティング。カッパー(銅)、ブラス(真鍮)など無垢の金属の質感と意匠でキッチンを演出、店舗デザインに冒険的な風を吹き込んだ。

JAPAN SHOPでもう1社目を引いたのは、大成塗装電気製作所の「LIKE COAT」。焼付塗装専業の町場の塗装工場が、"意匠"を切り口に新たな境地に挑戦している取り組みで、塗装事業で培った技術をベースに、木目、錆、エイジング、石・タイルなど高度な意匠を被塗物に施す。さまざまな素材や形状の被塗物を、自在な色や柄で演出する「LIKE COAT」は、熟練の職人の技の結集でもある。「サイン、看板、什器、各種プロダクツなど受注先が広がっている」とし、特殊塗装のデザイン力と技能を売り込んでいた。