ローラーやマスカーなど塗装資材の開発・販売を手掛けるホリコー(本社・神奈川県川崎市、社長・堀邊宏之氏)は7月、塗装用ローラーを繰り返し利用できる洗浄ツール「遠心太助」の販売を開始した。千葉県市川市で塗装業を営む堀建装が開発し、ホリコーが総代理店として全国販売を開始した。
ローラー洗浄ツール「遠心太助」は、電動ドライバーなど市販の電動式回転工具への装着を可能にした鉄製の棒。棒の先端をローラーに差し込み、回転させることでローラーに残留した塗料を遠心力で吹き飛ばし、かつ水中で洗い流すシンプルな仕組み。工具側の軸とローラーの回転を同期させ、固定する留め具の開発によって商品化を実現した。
使用方法は、塗装済みのローラーを塗料缶や容器内で回転させ、塗料を吹き飛ばした後、水洗、脱水を2,3回繰り返し、乾燥で完了。工具の高速回転によりローラーの奥に入り込んだ塗料を、生地を傷めずに洗い流すことができ、10回ほど繰り返してローラーを利用することが可能だという。同社担当者は「単価の高いマスチックローラーやレギュラーローラーにおいては、洗って再利用するケースが少なくない」と洗浄時間の短さや水量の少なさもメリットとして強調する。
毛丈30mmのレギュラーローラー(ポリエステル・ナイロン)で行った比較試験では、手洗いが1本あたりの洗浄に約5~10分、約30~40ℓの水を使うのに対し、「遠心太助」は約30秒、水量は約10ℓで5本まとめて洗えるという。長繊維で微細構造を持つマイクロファイバーローラーでも約45秒で洗浄が可能。洗浄性についても黒塗料を塗ったローラーを洗った後に白塗料の塗装を可能にするなど実用性の高さを訴求する。
特に関心を集めるのが費用対効果。ローラーの種類や使用頻度によって効果は異なるとした上で、職人へのアンケート調査で試算したところ、作業者1人あたり年間5万円程度のコストを削減できるという。
洗浄再利用は水性塗料を基本としているが、吹き飛ばし工程のみなら溶剤系塗料にも対応。ローラーのヘタリを回復させ、使用面積や使用時間を伸ばす使い方ができる。
同社としては、コスト削減、環境負荷低減に寄与するツールとして、塗装業者へのアピールを強化していく一方、販売窓口として塗料販売店との関係構築に注力していく姿勢を見せる。
価格(定価)は、レギュラー用1万1,300円、スモール・ミニ用9,800円(いずれも税別)。使用動画は同社ホームページに掲載。
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