大谷塗料の「VATON CLT・集成材専用保護剤」が、日本有機資源協会(JORA)が認定するバイオマスマーク(認定番号230125)を取得した。取得は昨年8月。中高層建築物を中心に木造化の気運が高まる中、環境負荷低減に寄与する製品として訴求を強めている。

集成材保護剤は、製品出荷前に塗布するクリヤー材料で、現場に持ち運ぶ際や建設期間中に生じた汚れの付着やカビの発生を防止し、かつ汚れの拭き取りやすさを保持する特長を持つ。

これまで集成材保護剤として「VATON LVL前処理剤」を長らく展開してきたが、2020年に製品を統合させる形で「VATON CLT・集成材専用保護剤」を新たに開発した。理由は集成材需要の増加だ。

担当者は「数年前からCLTの需要が顕在化し、大断面集成材を含め、構造用集成材の需要が増えている」と説明。製品名にあえて「CLT」を加えることで、集成材保護需要を幅広く取り込んでいく意向だ。

更に今回、付加価値として付与したのがバイオマスマークの取得。「現場のクリーニングコストを抑えるメリットを訴求していきたい」(担当者)と環境性能を保持した集成材保護剤として需要を喚起していく方針。

バイオマスマークの取得については、元々植物油を主原料とし、顔料を含まない製品特性であるとはいえ、樹脂設計や防カビ剤の選定など配合技術を駆使したことで、乾燥塗膜中におけるバイオマス重量90%超の製品化に成功。バイオマスのグレードを示す「バイオマスマーク90」のラベルを取得し、「環境性能の明示が難しい中、環境ラベルの活用は、市場から選択される上で有用だと考えている」と市場展開に弾みをつけている。

「VATON CLT・集成材専用保護剤」は、木材に浸透し、風合いをそのままに手跡や雨跡汚れが落ちやすいのが特長。防カビ機能を保持し、施工後(15℃)8時間でベタつきがなくなる速乾性を確保した。

上塗りは、適応性を確保した着色・浸透仕上げ「VATON」、無着色・つや出し仕上げ「VATONトップクリヤー」(屋内建具)、着色・浸透仕上げ「VATONプラス」(屋外全般)を揃える。