塗装業など、住宅の外装リフォーム業者で組織する木造住宅塗装リフォーム協会(略称:木塗協、代表理事・古畑秀幸氏)は7月17日、東京・両国の国際ファッションセンターで「2025年第2回定期研修会」を、会場とリモートのハイブリッド形式で開催、全国から多数の会員が参加した。

今回は、木塗協の事務局長で中小企業診断士・1級建築士でもある阿部守氏が「『安値=100万円の壁』を打ち破り集客・契約を倍増する原理」と題して講演を行った。

戸建て住宅の塗り替え工事を元請けで展開している木塗協の会員にとって、近年の市況の悪化は死活問題。需要の減少と価格競争の激化に見舞われている市場の中で、いかに安値競争から抜け出し、集客を倍増するかに視点を置き、研修がなされた。

そこへ向けた原理として阿部氏は、「価値を可視化する」「信頼を蓄積する」「期待を超える演出を」の3つの原理を提案。見積書を単なる金額提示ではなく「提案書」に進化させて、見えない価値を言語化・視覚化し「違い」を認識してもらう。施工事例や顧客の声を整理し、客観的な信頼を築くための資料を準備し、活用する。

工事中の清掃や丁寧なあいさつ、工事完了後の手紙、営業担当者が現場に足を運び仕上がりを確認するなど相手の想像を超える演出をすることで価格以上の満足感を生み出すなどのアプローチ手法を提示した。

最後に阿部氏は、明日からの3つの行動として、「見積書を『提案書』に変える、施工事例やお客様の声を整理する、SNSなどで人となりを発信することを実践してください。高価格の背景は『高満足』です」と話し、厳しい市況への向き合い方を説いた。

また今回は、「点検商法・悪質リフォーム被害から消費者を守る」と題し、神奈川県警生活経済課の警部補が情報を提供。点検商法によるリフォーム詐欺が多発する中、「点検商法などで工事を迫られた際は、家族や知人などに相談してからと伝え、それでも帰らないときは躊躇することなく警察に電話してもらうなど、悪質リフォームを未然に防ぐ術を皆様のお客様にも何かの機会に伝えていただきたい」と木塗協の会員と情報を共有した。