水谷ペイントは8月22日、お茶の水ホテルジュラクで新製品発表会を開催した。当日は関東地区の販売店、パートナー施工店など120名が参加する盛況ぶり。冒頭あいさつに立った水谷成彦社長は「樹脂合成技術に更に磨きをかけ、今後とも製品開発に邁進していきたい」と述べ、新製品拡販の協力を求めた。

主力の建築外装用塗料「ナノコンポジットシリーズ」では、同社経営企画室室長の山田和由氏が各種塗料の低汚染メカニズムの違いから同品の特長について解説した。

山田氏は「光触媒塗料は酸化チタンから発生したラジカルが有機物を分解し汚れを除去する。塗膜の樹脂分を劣化させてしまうのに対し、ラジカル制御塗料は酸化チタンを表面処理することでラジカルの発生を抑え、更に光安定剤、紫外線吸収剤を配合することで高耐候性を確保している。汚染防止策には親水性になる汚染防止剤を配合している」とし、光触媒とラジカル制御が相反する性能であることを示した。

その上でナノコンポジット樹脂塗料については「緻密に配列した超微粒子シリカが親水性塗膜を発揮し、汚染防止剤に頼ることなく低汚染性を発揮する。更にラジカル制御の処方も加えている」と説明。"艶消しで汚れにくい外壁用塗料"としてスペックイン協力を求めた。

その他、新製品では「住宅屋根用化粧スレートの再生工法」、金属屋根専用ハイソリッド型1回塗り塗料「PSマイルドSコート」、弱溶剤タイプのバリアブルシーラー「エポックマイルドシーラー」、100年塗料「カイムロイヤラン」を紹介。中でも施工会社の関心を集めたのが化粧スレート再生防滑工法。

「水系ナノシリコン-RN」に特殊骨材を配合し、素材原料の異なるスレートに対し、新設時の風合いが得られるのが特長。下塗りの組み合わせによりアスファルトシングル、金属系屋根材にも適応する。

最後に営業統括部長の荒川真吾氏があいさつに立ち「水性屋根用塗料が停滞する中、水系ナノシリコン-RNで巻き返しを図っていきたい」と意欲を示した。