簡易測色ツール、塗装業者に大ヒット
日塗工色搭載が決め手「CUBE」

簡易測色ツールの「CUBE(キューブ)」(国内販売代理店・ソフトウェア・トゥー)が塗装ユーザーの間でブームを呼んでいる。手のひらに収まるポータブルタイプの測色器で、簡単な操作でさまざまなものの色を読み取り、スマートフォンの画面に色情報を表示する。特に塗装ユーザーが大きく反応したのは、日塗工の標準色見本長帳で近似色を表示できるようになった点。「現場で有効活用できそう」との期待が高まっている。


「CUBE」はオーストラリア製の簡易測色器。今年4月、東京・としまえんで開かれた大塚刷毛製造のマルテー祭で国内披露され、その場で購入する来場者が続出、いきなり火がついた。マルテー祭の後も大塚刷毛には注文が押し寄せ、国内販売代理店のソフトウェア・トゥーが当初輸入していた2,000個が短期間で完売。以降4カ月ほど欠品が続き、「お客様にはご迷惑をお掛けしていましたが、このほどようやく再入荷し、ご提供できる体制が整いました」(ソフトウェア・トゥー、川井浩司ゼネラルマネージャー)という状況にある。

同品はパソコンのマウスを箱型にしたような小ぶりの測色器で、色を測りたい物の表面に接地し、上部を軽くタップすると現物の色を測色する。無料の専用アプリ(iPhone用、iPad用、Android用あり)でスマホやタブレットとつながっており、測色した色情報が即座に画面に現れる仕組みだ。

測色した色の情報は、RGBやLAB、CMYK、HEX、LRVなどの値で確認できる他、各種の色見本帳の中の近似色で表示する機能も併せ持つ。

対応している色見本はベンジャミンムーアやシャーウィン・ウィリアムズ、PPGなど数十社の塗料メーカーの他、RAL(ドイツ)やBritish Standards(イギリス)などナショナル規格も搭載。

更に今回、日本での発売に当たりJPMA(日本塗料工業会)塗料用標準色2017年J版見本帳のデータを収録したのが大きなヒット要因だ。このことにより、CUBEで測色した色が日塗工色見本の近似色として色番号と色が画面に表示されることになった。塗装の色決めでは、現物の色に合わせて塗料を手配するケースが多々ある。その際に使用頻度の多い日塗工色見本と連動させたことで、塗装業者などユーザーに「使える」とのインパクトを与え、ヒットにつながった。

ソフトウェア・トゥーでは日塗工色見本の他、オート化学工業のオートンシーラントの色見本を収録済みで、コニシのシーリング材の色見本対応でも現在準備を進めている。「今後、さまざまなご意見を聞きながら対応できる範囲を広げていきたい」(同)としている。

なお、CUBEで測色できるのは塗装面(塗膜)の他、プラスチック、木材、紙や生地など多彩。反対に測色できないのは透明な物体や液体、車のメタリックペイントなど金属処理された塗膜、蛍光面など。

同品の標準小売価格は2万4,000円(税別)。大塚刷毛製造を通じて販売。



簡易測色器「CUBE」
簡易測色器「CUBE」

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