オキツモは耐熱塗料で培った独自技術を活用し、屋根向けとは一線を画す形で遮熱・断熱塗料の需要開発に努めている。これまでガラス用クリアコーティング剤「GLC-1」、断熱ペイント「HIP屋根用」、断熱ペイント「HIPエアロ」と市場展開に合わせて品揃えを拡充している。

特に現在、営業展開に注力しているのが「HIPエアロ」。発熱設備に塗布することで、熱のロスを抑制し、省エネ、CO2削減に寄与する。また結露による保温材下表面腐食(CUI)にも効果を発揮する。既に菓子工場やはんだ付けを行う炉などで採用されるなど、実績を増やしている。

こうした同品の断熱・保温性能を支えるのがエアロゲルという低熱伝導率物質。シリカを主成分に95%が空気という超多孔質物質構造を有しており、これを塗料化することでグラスウール並みの低い熱伝導率を確保した。「膜厚によって要求性能をコントロールすることができる他、基材への密着性・耐食性と保温効果があるため設備やパイプの結露防止に寄与する」(担当者)と塗料ならではの利便性を訴える。

今後、同社はガラス向けクリアコーティング「GLC-1」や「HIP屋根用」を含め、工場や作業環境の改善に寄与する熱対策塗料として幅広く提案していく考え。既に塗料ディーラーと協業し、需要の深掘りを進める一方で、炉メーカーへの採用活動も強化していきたいとの方針を示す。