タクボエンジニアリングは、防爆型追従式の小型塗装ロボットシステム「SWAN‐C(スワン・シー)」を開発し、4月から販売を開始した。既存のスピンドル塗装ラインへの設置が可能なことから、化粧品容器など小物部品向けでの採用拡大を狙う構えだ。

同品は、最大16丁の超小型スコッチガンを搭載し、ロボット本体と小型シリンジポンプを一体化させたのが特徴。コンベアの動きに合わせてロボットが平行移動し、正確でバラつきのないスプレー環境を実現。塗膜品質の安定化を可能にする。

同社がターゲットに据えるのは、スピンドル塗装からのシフト。「スピンドル塗装は、設備が安価でワーク形状やサイズに自由度があるのが利点だが、被塗物が変わるたびに固定ガンの位置とスプレー条件を手動調整する必要があり、塗装条件を再現することが難しい」と説明。また職人的技能への依存度が高い点も課題として指摘する。

そこで同社は、既存のスピンドル塗装ラインへの組み込みが可能で、塗料及び産廃コストの削減に寄与する「SWAN‐C」をスピンドル塗装に替わる塗装方式として訴求する考え。ティーチングにおいても標準インストールするソフトウェア「スワニスト」により簡便にした他、塗装データの可視化や条件設定や色替えなどの時間も大幅に短縮できるという。

現在、実ラインの稼働と並行して、試作品やテスト塗り、データ作りを可能にした「スワン-C」専用のデータ作成専用ロボットを開発しており、近日にも公開する。

◇「SWAN-C」主な仕様△可搬重量:5kg△可動範囲(最大ワーク径):150mm△軸数:4軸(ロボット3軸+X軸)△ガン数:標準仕様16丁(ピッチ50.8mm)△シリンジ容量:標準仕様10cc(16連シリンジポンプ)△標準対象設備:スピンドルコンベア速度3~5m/min。ガンは最大24丁まで拡張できる。