日本ペイント・オートモーティブコーティングス(NPAC)は、トヨタ自動車の未来創生センター(以下トヨタ)と共同で、太陽電池の表面にデザイン性とカラーリングを実現させる「太陽電池向け加飾フィルム」を開発した。

この技術はNPACとトヨタが持つ自動車用塗装技術を応用することで、太陽電池の性能を維持しつつ光によって表情を変えるピンク、ブルー、グリーンなどさまざまなデザインの実現に成功した。

再生可能エネルギーの1つである太陽電池の普及が進む中、その設置場所は建物の屋根から壁面、更にはモビリティなどへと広がりつつある。そのため従来の黒色や紫色などの太陽電池に加えて、周囲の景観に合った高意匠の太陽電池のニーズが高まっている。

通常、太陽電池をフィルムで覆うと太陽光が透過せず発電しなくなる。今回NPACとトヨタが開発した加飾フィルムは太陽光の大部分が透過できるため、太陽電池の発電量を大幅に損なうことなく、カラフルな色で加飾できるという特長がある。

3月12日よりNPACとトヨタは、F-WAVE(本社・東京都)と共同で、加飾フィルムをF-WAVE量産「軽量フレキシブル太陽電池」に実装し、加飾フィルムの各種耐久性と発電特性及び意匠性の評価を目的に、F-WAVE 熊本工場敷地内での実証実験を開始している。

NPACは今後も引き続き周辺環境に配慮した意匠性の高い新しい太陽電池のイメージを構築し製品化を目指す。