東京オートサロン2022が1月14日から3日間、幕張メッセで開催された。

東京オートサロンは、カスタムカー文化を世に広めるべく「東京エキサイティングカーショー」として1983年にスタート。第5回からは「東京オートサロン」に名称を変更し、年々規模が拡大。近年は自動車メーカーも出展し、オートサロンに合わせて新車の発表を行うなどショーの存在感が高まっている。昨年はコロナの影響でオンライン限定での開催となったが、今年は2年ぶりに観客を入れて開催。EVを始め、新たなクルマが多数発表された。

三菱自動車は軽EV「K-EVコンセプトXスタイル」を発表した。取り回しが良く運転しやすい軽自動車の特長と、静かで上質な乗り心地という電気自動車の特長を追求した自動車。先進の運転支援機能やコネクティッド機能に加え、環境に配慮した安心安全で快適な新世代の軽EVとしてプッシュ。近日中の発売を予定している。

スバルはモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)と共同でブース出展し、電気自動車スポーツカー「STI E-RAコンセプト」を発表。ヤマハ発動機が供給するハイパーEV向けモーターを搭載。最大1088馬力のシステム出力を、独自の4モーター四輪技術で制御する。今後国内サーキットなどで走行実験を重ねていく。一方で、SUV電気自動車「SOLTERRA STIコンセプト」も公開。こちらはトヨタ自動車と共同開発したEVで、エクステリアにチェリーレッドのアンダースポイラーやルーフエンドスポイラーなどを採用しスポーティーな印象を高めた。

EVの新車発表の一方で、目立ったのがアウトドアでのクルマの活用。「コロナで出かけづらくなり、風通しがよい環境下でのレジャー活動に注目が集まっている。併せてアウトドアでの活用をもともとコンセプトとして打ち出している車種もあり、親和性は高かった部分」(カーメーカー担当者)と話す。今回のオートサロンではアウトドアで活用するための機能などを盛り込んだクルマが数多く登場した。

ダイハツは「アトレー デッキバン キャンパーVer.」を紹介。「4LD"軽"」をコンセプトにキャンピングカー仕様に仕上げた。ルーフにはテントを装着し大人2人が寝ることができるスペースを確保した。「カラーは工具などの鮮やかな色をヒントに、より『ギア感』とタフさをイメージした」(担当者)と説明した。

日産自動車は「CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPT」を出展した。移動する山小屋をイメージしたカスタムカー。「トレイルランナーが山で遊びつくすための基地」がコンセプトで、木目調の外装とくつろぎやすい空間が特徴。ボディサイド内側のカウンターテーブル、温かな照明などでくつろげる空間を演出。表面にはフィルムディスプレイが貼り付けられ壁がそのままシームレスなディスプレイになる。

その他、ルーフには可動式のソーラーパネルが装備され、基地としての機能を高めた。

カーメーカーだけでなく、カスタムカー市場でもアウトドアの需要を取り込む動きを見せている。カスタムカーショップのジェットストロークはキャンピングトレーラー・エアストリームを出展。シンボルともいえる丸みを帯びたシルバーボディが特徴。「アウトドア以外でも店舗に常設したり、プライベートルームとして使用したりとさまざまな可能性がある。当社製品の透明保護塗料『SPPF』との複合提案などシナジー効果も期待している」とクルマを基点に新たな需要を取り込みたい考え。