BP集客を支援するカラーサービス 
マットカラーシステムを提供

イサム塗料(本社・大阪市、社長・古川雅一氏)はBP工場入庫支援「愛車へのちょっと真心おもてなしサポート」第4弾を実施する。マット(艶消し)カラーシステム16色をラインアップし、新車色にはないオリジナルカラーでカスタムニーズの喚起を図る。これまでの展開で若手BP経営者を中心に集客での差別化としてBP独自のテクノロジーである調色力を創色力として活用する方向が浸透しつつある。現場サイドでも女性ペインターの活躍も目立ち、同社はカラーラボ・BP工場への転換を加速する。

 


自動車補修塗料の需要が漸減を続ける中で、塗料メーカー各社の戦略は残存者利益を確保する方向を強める。縮小するシェアを奪い合う構図となっており、水性ベースコートシフトもその中にあり、体力勝負の世界でしのぎを削る。

その中にあって独自色を鮮明にしているのがイサム塗料。ストレートアクリル時代から自補分野でトップランナーとして走り続け、水性ベースコート開発で先行するなど「現場に一番近いメーカー」としての立場からの戦略を打ち出している。

4年前同社は入庫減に悩むBP向けに「愛車へのちょっと真心おもてなしサポート」の展開を始めた。サービスメニューとして11項目をラインアップし、カーオーナー(生活者)の入庫モチベーションを刺激する方向に舵を切る。

サービスメニューは洗車、ヘッドライト再生などの既存メニューの他に、BPならではのメニューとして創色(カスタムカラー)提案を導入したところがユニーク。車の保有期間が11年超となり、ボディカラー、内装カラーのファッションイメージを変える提案だ。

しかしオールペイントは現実的ではないとして「プチデコ」(パーツのカスタムカラー化)に重点を置く。

しかし実際のところ市場を大きく動かすほどの反応はなかったことも事実。BPにとって事故修理対応という固定観念が依然強く、入庫ルートを自ら創造するという発想が弱いため、独自のサービスメニューへの感度は低かった。しかも最大のネックは保険料率で守られた価格体系への依存体質が強く、サービス価格を自ら設定する意義への無関心さであった。

それでも同社が「おもてなしサポート」を継続した背景には、若手を中心とする一部のBP業者の賛同があったからだ。カーディーラーからの下請けは先細りする一方で、レバレートといわれる下請価格は40~50%レスともいわれ、量をこなさないと利益が出ない。また一方の損保の入庫誘導(DRP)はレッカーサービスなどの装備条件が厳しく、零細規模BPでは対応できない。

BPのサバイバル状況は最終段階にある。ピーク時に全国に4万5,000社あまりあったBP工場は3万社を割り込み、ここ数年淘汰変動が強まっている。業界関係者の見方の主流は1万~1万5,000社が落としどころとなっている。

同社の「おもてなしサポート」は専業の持つ技術力を集客につなげる狙いがある。BP専業者は規模に関係なく調色(色合わせ)技術とともに高度な塗装技術を保有しているところが少なくない。この技術は経験知で構築されているため継承が難しくなっている。コンピュータで測色し色合わせしても、微調整は経験と勘によるところが大きい。このテクノロジーを創色(色彩提案)にシフトすることがおもてなしの最大の眼目といえる。

同社は現場に寄り添うスタンスから創色提案の目玉としてオールペイントは「あまり現実的ではない」(古川社長)と判断し、導入口として一部カラーリング(アクセントカラーペイント、カスタムテンプレート)を提案。ステップアップのプログラムを組んだ。

そして今年は「おもてなしサポート」第4弾として「マットカラーシステム」を発表。マット色16色をラインアップし、カスタムカラー提案を進化させる。

マットカラーは新車カラーとして定番色になっておらず、新規性をアピールできる。更にオールペイントに比べ下地処理を簡便化するなどして価格帯を下げることが可能。特にマットカラー塗装では素人でもDIY感覚でできるメリットがある。

新車カラーにはないカスタムカラー独自の世界を展開するために、マットカラーが呼び水の役割を果たしていく方向に同社は狙いを定める。おもてなしをベースにした色彩戦略が表舞台に登場したといえそうだ。



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