小ロット対応の粉体塗料「conall(コナール)」を製造する三王は6月8~10日の3日間、多摩美術大学で粉体塗装のワークショップを開催した。

当初の想定を大幅に上回る延べ47名が参加し、キャンセル待ちも発生する大盛況となった。ワークショップは学内募集で自由参加とし、参加した学生はプロダクトデザイン専攻、工芸学科、環境デザイン学科など分野は多彩で、多くの学生が興味を示した。

同社は「将来的にものづくりやデザインの一翼を担う学生に対し、ワークショップを通じて就学中に粉体塗装の特徴と意匠性を知ってもらい、作品づくりや将来に生かしてもらえれば」との思いで企画した。

当日は粉体塗装の仕組みや採用事例などを解説した後、同社のお手軽粉体塗装ガン「コナールショット」とペットボトル入り粉体塗料「チョコナ」を使用しレクチャーした。

9月にもワークショップを行ったが、その際は段ボール製のブースに調理用オーブンとDIY的な設備を使用。ただ今回は大学スタッフが製作したアクリル製の多機能なブースと小型の乾燥炉を使用した。

作業は大学側で用意した雑貨などの塗装品選びから始まり、塗色の選定、足付け、脱脂を経て、吊り下げ方法を工夫しながら粉体塗装を行った。

「実際に粉体塗装を行った学生たちは、粉が溶けて膜になっていく様子や被塗物の厚さによる粉の溶け具合の違いなどを観察でき、とても楽しそうに覗いていました。特に弊社のキャンディトーン(カラークリア)が乾燥炉に入れた1~3分後にすぅっと透明になっていく様には歓声が上がっていました」と興味津々の中で作業が進んでいった。

また、中には見本帳やチョコナボトルのレッテルを見ながら色をメモする学生も複数いて、「体験で終わらずまたやりたいと思ってもらえたよう」と手応えを感じた。同社は「このような活動を通して、学生たちが塗装という分野に興味を持つことで、将来的な粉体塗装の発展に少しでも貢献できればと思います」として活動を続ける。