ナトコは7月6日、「ナトコ会 新製品説明会2022」をオンラインで開催し、新製品の抗ウイルス塗料、遮熱塗料、剥離剤(建築・鋼構造物用)を紹介した。

従来、11月に特約店を集めたナトコ会の総会を行っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年と2021年は開催を取りやめた経緯がある。

冒頭あいさつに立った代表取締役社長の粕谷太一氏は「ナトコ会総会の中でご紹介しておりました新製品をいち早く皆様にお伝えする機会が限られている現状におきまして、ウェブを使った製品説明会を企画しました。ロシアによるウクライナの侵攻は長期化しており、その影響はチタン鉱石の出荷停止による需給ひっ迫など間接的に我々の業界にも影響を及ぼしつつあります。また、コンテナ不足による物流の遅延、燃料費の高騰による輸送コストの上昇、円安の進行など我々にとっては厳しい状況が続いています。このような逆風の中においても着実な拡大路線を歩んでいけるよう今回のような新たな取り組みを今後も積極的に打ち出していきたいと考えています」と述べた。

抗ウイルス、遮熱、剥離剤

最初に、抗ウイルス塗料シリーズを紹介。同シリーズはすべてSIAAを取得済みで、抗ウイルス性、安全性、耐久性を兼ね備え、屋外製品を含めた工業製品に提案することが可能となる。 

「SIAAマークを付けることが生活者の信頼に直結する。ユーザーの製品にSIAAマークをつけやすい状況を整えており、担当者がマークを付けるところまでサポートしている」(担当者)。

SIAAの中でも「高い耐久性」区分にて認証を取得しており、屋外用途でも使用可能なため、宅配ボックス、手すり、遊具など不特定多数の人が触れる品物に使用できる。銀系抗ウイルス材を使用していることから、色、つや、模様の制限がなく、屋内外を問わないメリットを有する。

溶剤塗料では抗ウイルスベースを従来品に指定の割合で混ぜることでSIAA認証の抗ウイルス塗料として使用可能となる。粉体塗料はほぼすべての品種に対応している。

続いて、遮熱塗料「デラクール」について説明した。工業用向けの遮熱塗料で、幅広い素材に1コートで仕上がるのが大きな特長。

同社は「脱炭素社会への急速の進行によって、遮熱塗料の社会的価値が高まっており、家屋建屋だけでなく工業プロダクトへの遮熱性能も求められる。屋外の電化製品に使用することで消費電力の抑制、蓄電池に塗れば熱劣化の抑制が期待できる」と展開を見据えた。

同品は機能性ファインセラミックフィラー(遮熱物質)が効率良く表面配向する特殊設計。日射光を効率的に反射させ、高い放熱性を付与する。また、80μmの薄膜1コートで仕上がり、実証テストでは表面温度を約17℃低減、内部温度では約3℃低減した。

最後に、アスベスト・PCB・鉛の安全な除去ができる環境配慮型剥離剤「スケルトンシリーズ」として、鋼構造物用水系タイプでベンジルアルコールフリーの「スケルトンAQS」、鋼構造物用水系標準タイプ「スケルトンAQ」、建材用標準タイプ「スケルトンNC」の特長を説明した。