車体整備業界では入庫減とともに深刻な人手不足に直面している。そうした中で、調色工程を補完するセンサー測色システムへの関心が高まる。BP工場の生産性を阻害する要因のひとつが調色プロセス。この改善で工程がスムーズに流れることになるからだ。

アクサルタコーティングシステムズは10年前から測色機「アクワイヤー」を国内市場に投入したパイオニア。その同社がアクワイヤーシリーズ3世代目となる「Acquire Quantum EFX(アクワイヤークアンタムEFX)」を10月から投入する。「BP工場では人手不足の声が強まっており、我々としては生産性アップなど、ソリューションを提供する一環として提案したい」(上野啓社長)。

アクワイヤーシリーズの最新バージョンの最大の特長は、色相・明度・彩度を測色すると同時に、光輝材の粗度や反射率である光輝感を測色できるところにある。色の反射率の測定から一歩進め、光輝材の種類や粗さまでも測定し、より測色精度を高めた。測色機には光輝材を測色するカメラを装備している。

また、「クアンタムEFX」は修理部分周辺を3点で測定し、クラウド上から配合データを引き出すスピードが15秒ほどと速い。Wi-Fiを使用でき、ケーブル不要となる。調色作業時間は飛躍的に短縮される。

更に使い勝手が良い特長がある。従来のアクワイヤーに比べ約半分のサイズで、重量は約1,300gと片手で操作可能なハンディタイプ。画面操作はバックライト付きのカラータッチパネル方式を採用し誰でも測色できる。

同社としては「人手不足」をキーワードとして2010年に投入した「アクワイヤーRX」との併売を行っていく。機能と価格で選択する幅を広げる販売戦略を組む。価格については地区販売店と協議する方針。2020年までに現在の倍の販売を見込む。アクワイヤーシリーズは世界で約5万台の販売実績がある。