グラコ・ゲマ事業部はハンドガンの販売が好調に推移する一方で、塗装システムの引き合いについては「前年度比から減少気味となっており、特に中小企業の設備投資意欲控えを感じてきている」という。

新アイテムとしてはOptiSprayポンプ装着ハンドガンユニット「OptiFlex2 F Spray」の案内を開始している。電動ポンプ型OptiSpray AP01ポンプを塗料搬送装置とし、定量塗装や厚膜塗装に最適なハンドガンユニット。優れた塗着効率を有し、ポンプ数が2つの仕様では最大600g/minの吐出量を確保する。

OptiSpray AP01は従来のインジェクター型ではなく電動ポンプ型で小型化を実現している。いったん吸引した塗料を逆流させることなく、同一方向へスムーズに搬送を続ける構造となっているため少ないエア量で済む。結果として、塗着効率は向上し箱物の内面や狭い部位への塗装でも粉が吹き飛ぶことがない。

また、もう1つの新アイテムとして展開するのが、色替え装置の「OptiCenterOC04/05」。同社の色替え装置の中では簡易版との位置づけで、溶剤塗装から新たに粉体塗装を始める現場を想定したベーシックモデルとして提案していく。

同社では「高速、多色を必要とする現場ではなく、例えばメインカラーが1~2色で、その他に4~6色程度使う現場に導入してもらうと効果的」(担当者)として、ターゲット層を見極めて提案していく。

塗料搬送装置はインジェクター型(OC04)とポンプ型(OC05)から選択できる。OC05の塗料ホース内径は6mmと小さく清掃性に優れ、塗料の安定化及び入り込み性に優れている。

横浜市の本社に持つラボ設備を活用し、ユーザーに対して塗装設備の提案を行っている。ゲマの本部(スイス)には「日本のユーザーに紹介しきれていない新しい製品がまだある」(担当者)として、日本の体制が整い次第案内していく意向を示す。

国内市場で認知度の高いハンドガンだけでなく、塗装システムにおいても実績を積み重ねて存在感を高めていく。