桂精機製作所は塗装設備や乾燥炉などを展開する中で、エネルギーの有効利用やエネルギー切り替えによる省コスト提案を進めている。

焼付温度が高い粉体塗装の設備では、遠赤バーナーを使用したり、ジェット熱風によりワークを直接加熱することで昇温時間の大幅な短縮が可能となる。「塗膜硬化に必要な焼付キープ時間を最短で設計できるので、乾燥炉のコンパクト化に寄与する」(担当者)。

乾燥炉の廃熱の有効利用も得意としており、ユーザーの設備に最適な設計を行っている。神奈川工場には遠赤、ジェット熱風、熱風循環併用の加熱・乾燥・焼付実験炉があり、ユーザーのワークを持ち込んでの実験も可能となっている。

エネルギーに関しては「電気式乾燥炉、電気ヒータ、電気遠赤をガス化するだけで大幅な省コスト、省CO2になる」(担当者)として提案している。大手ハウスメーカーの塗装乾燥炉の実例では、年間エネルギー費用が300万円以上削減でき、CO2は20トン削減できたという。

また、200℃以下の廃熱も回収可能な熱交換器「PWT-SK-Zシリーズ」(5~30㎥/min)を展開し、バッチ炉から連続乾燥炉まで幅広く提案している。新規乾燥炉の場合は炉全体のエネルギーが7%削減できる。