この数年で大型案件を受注するなど好調さを持続するホソカワミクロンワグナー。木村尚司社長は「以前と比べて大型の受注残は減少しているが案件はある。業種分野の拡大を含めてコストメリットをしっかりと訴求していきたい」と意欲を示した。

ワグナーは新製品の投入を機に製品シリーズの体系を刷新。多様なユーザーニーズに応じてラインアップを拡充するなど、ローカル対応を重視した政策を打ち出している。

粉体塗料供給装置については大規模工場向けに自動色替えを実現する「スーパーセンター」を最上位グレードに、標準グレードの「パウダーセンター」、廉価グレードの「プリマセンター」を展開してきた。最上位機種を除いた2機種を集約し、新たに1機種を加えた3機種からなる「パウダーセンターシリーズ」として「PXS」「PXM」「PXE」を展開予定。中でも来年発売予定の「PXS」は「パウダーセンターシリーズ」の上位機種として採用拡大に期待感を高めている。

「PXS」は、「PXM」「PXE」が手動によるタンク交換を要するのに比べて、本体とタンクを一体化させた自動洗浄機能を保持するのが特長。色替え時には、本体の底が開きエアブローで自動清掃することでタンク交換の手間を削減、色替え作業を簡便にした。「色ごとにタンクを購入する必要がなく、そのタンクを置くスペースが削減できるため、多色対応に適している」と説明する。

一方、3Dレーザーセンサーでワークの形状に沿った塗装を可能にする「3Dレーザースキャンシステム」も好評。「レシプロ塗装では塗り込めない奥行きの深いワークやハンガーにどう吊られてくるか分からないワークにも対応するため多品種塗装に適している」と補正人員の削減に寄与しているという。

この他、スーパーキューブブースの上位機種や超長尺ハンドガンといった新製品の投入を控えるなど、用途、条件に応じた品揃えを武器に包括的な展開を見据えている。