塗料販売店のB to Cビジネスを目指す連携組織が九州で発足した。福岡市のインテリアショップ・インプルーヴ(代表・倉本梨代氏)が主宰する「インプルーヴ・リーグ」に九州各地の塗料販売店など10社が参集、4月20日キックオフ大会が開かれた。ハイセンスな商材の取り扱いに加え、一般消費者とのコミュニケーションスキルを鍛えB to Cビジネス構築を目指す。

インプルーヴは、福岡市の天神で4年前にオープンしたインテリアショップ。カナダのインテリアペイント「クローバーデールペイント」と、ニューヨーク発の貼って剥がせる壁紙「テンペーパー」を主体に展開。1,320色のペイントのカラーバリエーション、130種類の壁紙の柄を組み合わせて「お部屋のデコレーションを楽しむライフスタイルを提案」するホームデコレーションショップだ。

しかも、いずれの商材もDIYで取り扱える簡便さがセールスポイント。「DIYブーム、自分らしい空間づくりを求める声の高まりの中で、当店ならではのデコラティブな商材のファンが増えています」(倉本代表)という注目のショップ。店頭でペイントや壁紙を楽しみながら選び持ち帰る光景が日常的に広がっている。

こうしたショップスタイルの導入を九州各地の塗料販売店などに提案。そこに賛同した社店で結成されたのが「インプルーヴ・リーグ」だ。塗料販売店7社、住設販売・施工など3社の内訳。いずれも業者対象のB to Bビジネスの将来的な限界感からB to Cの方向を目指したいという思惑で一致、「即断即決で導入を決めた」(参加店)と口を揃える。商材、調色ツール、カラーディスプレイなど初期導入費用がリーズナブルなこともあるが、それ以上に将来の閉塞感がB to Cビジネスへのシフトを後押ししている。

4月20日に各社店が参加して初めて開催されたキックオフ大会で特に重点化したのが接客スキル。「各店のスタッフの方は業者さん相手の会話には慣れているものの、一般のお客様とのコミュニケーションが苦手ということが判明。それを解消するため当リーグでは接客スキルの向上を重点化しました。単に商材を供給するだけでなく、それをいかに販売につなげるか、そのスキルこそが大事だからです」(インプルーヴ・倉本正氏)と方針を説明する。

インプルーヴではカスタマーリレーション部署を新たに設け、海外有名ラグジュアリーブランドで、国内で一番の接客売上記録を持つ林充子さんをチーフに招聘。キックオフ会では来店者を購買に導き、リピーター(ファン)になってもらうためのカスタマーリレーションのポイント、ロールプレイング実演などを通して研修が行われた。